アウトライン~ドラマのネタバレあらすじ・感想

文章の練習がてら、ドラマのあらすじをまとめています

「わろてんか」第20週 第114回『ボンのご乱心』

あらすじ

栞の調べで、隼也が仮契約したのは、ジェイソン・ハミルを騙る詐欺師だと言う事がわかった。
東京ですでに同様の手口の報告があったのだ。
栞を始め、てんと風太も、それぞれが「自分の責任」だと代わる代わる頭を下げる。
てんに促され、どうにか頭を下げた隼也はショックのあまりただ茫然としていた。

マンマンでは落ち込む隼也を、芸人や楓たちが口々に励ましていた。
万丈目は藤吉の「電髪」騒ぎを思い出し、隼也は父親譲りなのだと笑う。

その夜、隼也は改めて、てんに謝罪し、働いて返済すると誓う。
てんは、藤吉の仏前で謝らせ、隼也を一から叩き直すと宣言する。

翌朝、風鳥亭で厳しい顔をしているてんに、リリコが話しかけた。
リリコは、みんなが甘やかしたからであり、気にすることはないと慰める。
藤吉に似ている隼也の、人を信じるところが好きだと言うリリコに、てんはようやく笑みを浮かべた。

伊能商会では隼也が栞に謝罪と挨拶をしに訪れていた。
企画書のまとめが良くできていた、と褒める栞に、隼也は深々と頭を下げ、伊能商会を後にした。

てんは万丈目と楓に、苦労も次の世代に伝えたいからと、社史には成功だけでなく失敗も掘り下げて書くよう求めた。

隼也は再び掃除からやり直していた。
てんは慣れないながらも厳しく接し、風太はそれを横からそわそわ見守っていた。
そこへ、加納つばきが隼也を訪ねてきた。
今回の件は通訳として仮契約にも関わり、そもそも隼也を焚きつけた自分にも責任があると謝るつばき。
てんは、悪いのは隼也だから気にすることはないと言う。

雑記

てんの、ぎこちない「厳しさ」がほほえましい(笑)
そりゃ、久しぶりに風太の「おてんちゃん」も出るわ、と。

アンナチュラル#5

あらすじ

坂本(飯尾和樹)が辞めた事で、UDIラボでは2件同時の解剖が難しくなっていた。
所長の神倉(松重豊)は、しばらくの間、調査法解剖を中心に受け入れる事を決める。
ミコト(石原さとみ)のサポートに回された中堂(井浦新)は不満を訴えるが、この事態を引き起こした中堂に発言権はない、と神倉に言われてしまう。

UDIラボを絶対に辞めない、と言っていた中堂。その理由がミコトにはわかる気がしていた。
中堂の恋人、糀谷雪子(橋本真美)を殺した犯人は未だ逮捕に至っていない。
彼女の死を連続殺人犯によるものだと考えていた中堂は、彼女の遺体に残されていた不自然な(しかし警察を動かせるほどではない)特徴が他の遺体にもないか調べていた。
その為には、全国の不自然死の情報が集まるUDIラボに在籍する必要があった。
中堂が木林(竜星涼)を使って探していた「赤い金魚」とは雪子の口の中に残されていた小さな印の事だった。

MARSの一件でUDIラボを知った知った男性からの依頼で、もうじき遺体が運ばれ来る。メディアの影響について話すミコトと夕子(市川実日子)は、週間ジャーナルが「従業員の反乱」として蜂蜜ケーキの一件を取り上げた記事の話題に移った。
スパイとしてUDIラボに潜入中の久部(窪田正孝)が書いた記事だとは知る由もないミコトは、無邪気に喜ぶ。
夏代(薬師丸ひろ子)によると、記事によって社長が弱腰になり、このまま行けば原告の望み通り示談に持ち込めそうなのだ。
 久部は思わずにやけるのだった。

葬儀の準備をしていた木林は、ご遺体の口の中を調べていた。
部下の川辺が何をしているのかと尋ねると、あるものを探してる。それを見つけたらこれだけ貰えるのだと、と指を1本立てた。

しばらくして、青森から調査解剖の遺体が運ばれてきた。
依頼者は鈴木巧(泉澤祐希)。遺体は妻の果歩(青木美香)で、警察では自殺と断定されていた。
釣り人が彼女が海に飛び降りるところを目撃していたのだ。
しかし巧には果歩が自殺したとは信じられないのだと言う。

解剖が始まりしばらくすると、神倉と木林が血相を変えて飛び込んできた。
遺体は葬儀場から盗まれたもので、巧と果歩は同じ鈴木姓の同棲中の恋人だったのだ。

家族の許可なく解剖すれば、それは「遺体損壊罪」にも問われかねない。
警察署を訪れた神倉とミコトは、刑事の毛利に必死に弁明する。
ミコトは騙されて解剖しただけなので、お咎めなしではあったが、今回の件は保健局に報告されると知り焦る神倉。
果歩の両親は娘の身体に傷をつけること嫌がり、遺体はその後、中堂によって閉じられた。

巧は逮捕されてもすぐに釈放される見込みだった。
そうせざるを得ない事情が彼にはあったのだ。
事件当日の夕方、女性が海に落ちたところを目撃した釣り人の通報で、警察が捜索したところ、1時間後、落ちた場所から少し離れたところで果歩の遺体を発見。
持ち物から判明した住所の自宅を訪れるも、泊りがけの仕事に出ていた巧は不在で連絡も付かない。
仕方なく免許証の本籍地から実家を割り出した警察によって、東京の両親が引き取ることになった。
仕事を終え戻った巧は事件を知る漁協の人たちから果歩の死を知らされる。
すぐに果歩の実家へ駆けつけるが、両親は果歩は巧みに捨てられたせいで自殺したのだと思い込んでいた。
弁明するも、激しく責められ門前払いされた巧は、葬式への参列すら拒否される。
遺体を強奪したのは思い余ってのことだった。

木林が葬儀前に遺体がない事に気づき、青森県警に通報。
同時期、UDIラボも遺体の発見状況について青森県警に問い合わせていた事から二つが繋がったのだ。

途中までの解剖しかできず、自殺か事故かの判断はできなかった。
肺の中のプランクトンを調べて、淡水なら他殺では?と問う久部に、溺死したのが淡水か海水かと言うだけなら、心臓血の電解質濃度を調べればわかる、とミコトは言う。
海水で死ぬと左室血の電解質濃度が上がる。遺体は海水で亡くなっていた。
胸腔内のプランクトンを調べようとするも、神倉によって阻止された。
すでに遺体番号666番は、欠番扱い、これ以上の検査は問題になるとの判断だった。

すると中堂に頼まれ検査を行った検査員が、遺体番号が書かれていないため決済にまわせないのだと書類を持ってきた。
それを見たミコトは思わず顔色を変えた。まぎれもなく果歩の胸腔内の検査結果だった。

中堂を問いただすと、さらに肺も保管しているのだと言う。
窃盗ではないかと責めるミコトに「閉じろと言われたが、取り出した肺を身体に戻せとは言われなかった」と屁理屈をこねる中堂。
珍しく中堂が深入りしている、と感じたミコトはその理由を尋ねた。
「今」調べなければ、永遠に答えの出ない「なぜ」と向き合い続けなければならない。
そんな(自分のような)人を一人でも減らすのが法医学の仕事じゃないのか、と言う中堂。

倫理的に問題があっても、誰かの一生を救えるなら目をつぶるべきか。
「答えの出ない問い」それはミコトにも覚えがあった。
実の母は家族を巻き込んで無理心中することに躊躇がなかったのか。母が死んでしまった今となっては永遠に聞けない問いだった。
二十歳になったころ夏代から両親について色々と聞かされたミコト。2人の夫婦仲は良くなかったと言う。
そのおかげで納得はできなかったが、整理はできた。
しかし未解決事件の遺族は永遠に「どうして」と考え続けなければならないのだ。
夏代はふと気になって、UDIラボの人たちはミコトの過去を知っているのかと尋ねた。
同情されたくないミコトは、今まで誰にも話したことはないと答えた。

中堂は事件を調べるために青森へ。
ミコトと久部は調査の中止と依頼料の返却のため、釈放された巧会いに行っていた。
果歩の両親は巧を訴えるつもりはないが、二度と関わるなと言い、やりなおしの葬儀への参列も断った。
ミコトは事故か自殺かはわからなかった、と言って依頼料を返すが、巧は土下座をしてどうしても調査を続けて欲しいと頼み込んだ。
事件の前、婚約指輪の代わりにネックレスをプレゼントした。とても喜んでいた果歩が自殺するとは巧にはどうしても思えなかった。「本当のことを知りたい」それが巧の切実な願いだった。

義憤にかられた久部は、UDIラボが動けないなら、蜂蜜ケーキの時のように、マスコミを動かそうと考え、週間ジャーナルの末次に直訴する。
しかし事件が地味で魅力がないと切って捨てた末次は、金を払っているのだから下世話な記事を持って来いと一喝する。

やさぐれた気分でUDIラボに戻ってきた久部は、ミコトが中堂と一緒にいるところを目撃し、二人の仲を疑う。

中堂は飛び込んだ地点と発見された地点では、海流に流されたと考えても1時間で移動できる距離ではないと言う。
そこで入水地点、発見地点の海水、どちらが遺体と一致するかを調べることで、被害者が亡くなった地点を確定させようと考えた。
入水地点は、密漁者が現れるほどウニがたくさん取れるが、発見地点ではウニはほとんど取れない。
この事から、それぞれの海水に含まれるウニ特有のプランクトン「プルテウス幼生」の数で区別できる。

その時、放送で中堂が呼び出された。胸腔内検査の書類にミコトが遺体番号666と記入し検査技師に渡したことで、中堂が無断で検査した事がばれたのだ。
責める中堂だったが、ミコトは民間の検査機関に依頼すべきだと中堂の脇の甘さを指摘した。
中堂は自分の代わりに海水を調べろと言う。
「命令ですか?」とあきれるミコトに、中堂は戸惑いながら「協力を……要請する」と答えるのだった。

ミコトと中堂は買い出しをして中堂のマンションへ向かった。
市販品を使って、自分たちで検査するためだ。
引っ越してきて1年になると言う中堂の部屋は驚くほど物がなかった。
久部は中堂に頼まれ、UDIラボから顕微鏡を持ち出して、マンションへ向かっていた。
しかし玄関から出てきたのはエプロン姿のミコト。何も知らない久部は2人はそういう関係なのかと落ち込んだ。

状況を理解した久部が持ってきた顕微鏡で、ミコトと中堂によるプランクトンの検出が始まった。
強い酸(壊機法)か酵素(酵素法)を使い、ゴミを溶かしてプランクトンを検出するのだが、プルテウス幼生は主にたんぱく質のため、強い酸では溶けてしまう。
そこで弱い酸(台所用漂白剤)を使って行っているのだが、ゴミが多く残ってしまい上手く進まないのだ。
ミコトはさらに助っ人として、夕子を呼び出した。
事情を聞いた夕子は、水酸化ナトリウムの含有量が高く粘り気もある弱い酸(パイプ用洗浄剤)を差し入れる。
これでプランクトンがクリアに見えるようになった。
酔って寝ている久部と夕子、一旦休憩していたミコトは、場違いな絵本を見つけた。
「茶色い小鳥」と言うタイトルで、作者は「こうじや ゆき」中堂の亡くなった恋人の本だった。
絵本を読んだミコトは、中堂のために法医学者として何かできることはないかと考える。

朝まで検査した結果、果歩の胸腔内からはプルテウス幼生が多く見つかり、発見地点の海水の特徴と一致した。
結果を毛利に報告するミコト。考えられる事は、入水地点から泳いで発見地点まで行き、そこで力尽きた。
あるいは誰かに上がることを阻止された。
改めて遺族に解剖の許可を、と言うミコト。
しかし毛利は、青森でも解剖を拒否したため、死亡後CTのみで溺死と判断した経緯を話した。
CT画像があると知ったミコトは、すぐにそれを送って貰うよう依頼する。

 送られたCT画像を見たミコトは、死亡直後にしては肺が小さい事から、ドライ・ドローイング(乾性溺水)の可能性を疑った。
果歩は顔から水に飛び込み、顔面反射(エベック反射)を起こして水中では意識を失っていた。
つまり、泳いで発見地点に辿り着いたわけではなく、発見地点で落ちたのだ。
ミコトがそれに気づいたとき、一緒にCT画像を見ていたはずの中堂は、忽然と姿を消していた。

目撃者の釣り人とも話をした中堂は、証言が嘘ではないと感じていた。
その上、目撃された女性は「足から」落ちたのだ。
果歩の死に深く関わっている女が、偽装工作のために飛び込んだと考えて間違いない。
それらの事実を聞かされた巧は、果歩と同じ年恰好で同じジャンパーを着ている女性に心当たりがあるようだった。
中堂から、遺体発見時の果歩が、ネックレスを付けていなかった事を聞き、いよいよ確信を得た巧は、その女に会いに葬儀場へと向かうのだった。

漁協で果歩と同僚だったまゆは、巧に頼まれて果歩の葬式に来ていた。
「鈴木くんの事、許してあげてください」そう言って涙を流すまゆを、離れたところから憎悪の目で見つめていたのは巧だった。
巧は包丁を隠し持って、真っすぐまゆにぶつかって行く。
まゆは倒れ込み、あれは事故だったのだと弁解をした。
黙って借りたネックレスを返せと迫られ、押し合いになって果歩は海に落ちた。
なぜすぐに助けなかったのか、と追及する巧に、まゆは、自慢する果歩に嫉妬したと言う。
「なんであんな子が、私より幸せなの。私は悪くない」
自分勝手すぎる動機に逆上した巧は、再び刃物を振り上げる。
慌てて駆けつけたミコトと久部は、制止しようとするが叶わなかった。

ミコトは中堂の元に駆け寄り、なぜ止めなかったのかと責めた。
中堂は「殺すやつは殺される覚悟をするべきだ」と冷たく言う。
そして人殺しになってしまった巧を「思いを遂げられて本望だろう」とも。

久部は連行される巧をカメラに収めていた。
末次はスクープ写真に喜び、ボーナスだと久部のデスクに金を置いた。
久部はそれを受け取らずに編集部を後にした。

ミコトとの電話で、まゆが一命を取り留めた事を知った久部。
その声が泣いているように聞こえた久部は、慌ててミコトの元に駆け付けた。
警察署から出てきたミコトは中堂と話している最中だった。
まゆが助かったと聞いても、中堂は「素人は刺す場所をわかっていない」とそっけない。
ミコトは中堂にUDIラボを辞めるよう求める。
断る中堂に、それならば糀谷雪子の事件を話して欲しいと言う。
中堂を気遣う事が「クソばかばかしくなった」ミコトは、事件を解決して中堂の永遠の問いに決着を付けようと考えていた。

雑記

まゆちゃんが命拾いしてガッカリ。って思ってしまうくらい嫌な女だったなー。
巧が好きだったらまだしも、そんな感じでもなかったし。
果歩が死んだと巧に知らせた時も「鈴木くんひどいよ、果歩ちゃんほっぽって」ですと!殺しておいてまー!
一家無理心中で生き残った子供は犯罪者になる、と言っていた事からも中堂は理由があれば犯罪に走っても仕方ないと思っている節がある。
一方のミコトは、殺人そのものを憎んでいる印象。
ドライ・ドローイングと言えば、アメリカで、プールから戻った少年がお昼寝してると思ったら亡くなってた、なんて衝撃的な事件が有名です。

「わろてんか」第20週 第113回『ボンのご乱心』

あらすじ

ジェイソン・ハミルに、他の興行主とも交渉している事を匂わされた隼也は、てんに手付金の5千円(今の価値で1千万)用意してくれないかと頼む。
てんは隼也が功を焦っていると感じ、ハミルの素性についてもっと知るべきだと諭した。

マンマンでは楓がアサリの取材をしていた。
酔ったアサリは、どつき漫才は自分が考えた物だと嘘のエピソードを語り、歌子にたしなめられる。
そこに小競り合いしながらリリコと四郎が入ってきた。
アサリはリリコに、自分とコンビを組んだ方がもっと面白くなる、と誘うが、相方は四郎だけだときっぱり断られてしまう。

つばきは、隼也の参考になればと、自身の作った「マーチン・ショウ」のスクラップブックを渡した。
思うように進まず、落ち込んでいる隼也に、つばきは「挑戦する方が良い」と励まし、協力を買って出た。

マンマンでは万丈目が寄席の昔の資料などを持ち込み、みんなで思い出話に花を咲かせているところだった。
その中には電髪(パーマネント)のチラシもあった。
外国人に騙され、不良品を1000個も買わされた藤吉。しかしその後、パーマネント自体は藤吉の見込んだ通り流行したのだ。
「目の付け所は良かった」その言葉に、てんは今回の隼也の一件が、パーマネント事件に似ている事に気づき胸騒ぎを覚える。

再びてんに相談しようとした隼也だが、取り付く島もない。
隼也は仏壇の引き出しから、自分名義の預金通帳を取り出し見つめていた。

栞が東京出張から帰ってくるのを待ちかねていた隼也は、意気揚々と「マーチン・ショウ」の仮契約をしたと告げた。
仮契約書を見た栞は厳しい表情を浮かべた。

風鳥亭では厳しい表情の役員が顔をそろえていた。
栞は自分の監督不行き届きだったと頭を下げた。
事態が呑み込めない隼也が、自分の判断に間違いはなかったのだと主張すると、栞は「自分が父親なら殴っていたところだ」と静かに言い放った。
栞は、契約した相手は確かにジェイソン・ハミルなのか?と問いただす。
ようやく理解した隼也が急いでハミルのいるホテルに連絡を取るが、ハミルはすでに姿を消した後だった。

雑記

演じた松坂桃李さんに「ダメな男」と言わしめた元祖ぼんくら藤吉。
間違いなく「藤吉にそっくり」な二代目ぼんくら隼也。
でも若い頃に失敗して鼻折っておくべきなんだろうな。
スピンオフは万丈目夫婦か、リリコ&シローが良いなあ。

「わろてんか」第20週 第112回『ボンのご乱心』

あらすじ

キースとアサリが最後の漫才を披露してから1か月。
伊能商会で働く隼也の元に、ジェイソン・ハミルと名乗る男から電話がかかってきた。
彼が「マーチン・ショウ」の代理人だと知った隼也は、さっそく栞に伝える。
栞は隼也が思うほど喜ばず、むしろ冷静だった。
隼也は栞に、慎重になるよう注意を受ける。

東京ですでに高座に上がっていたキースとは対照的に、アサリはまだ相方も決められない。誰を用意してもただただ「あかん」の一点張りに、万丈目たちは手を焼く。

隼也は、栞に無断でジェイソン・ハミルに連絡を取り会いに行く。
ハミルは、通訳の女性、加納つばきを伴って現れた。
いかに自分が「マーチン・ショウ」のファンかを熱く語る隼也に、ハミルは上機嫌で名刺を渡した。

隼也から、栞に無断でハミルと会った事を告げられたてんは驚く。
隼也は、いっそ栞の許可なしに北村笑店だけで話を勧めようと言い出す。
すでに多くの国で大当たりしていた「マーチン・ショウ」
隼也は、日本でも確実に人気が出ると確信していた。
そして他の興行主に先を越される前に、25周年と言う記念の年に、実現させたいと考えていた。
しかしそのための制作費は5万円(今の価値で1億ほど)と、巨額だ。
人と人の絆を重要視するてんは、ハミルと交流を深めるのが先だと言い、風太も栞を説得して出直せと叱りつけた。

栞を再度説得するよりも、ハミルとコンタクトを取ろうと考えた隼也だったが、忙しいのか中々会う事ができない。
どうにか通訳のつばきと連絡が取れたが、彼女は本来通訳するはずだった女性の代理だったため、ハミルについては詳しくないのだと言う。
10年もの間アメリカに住んでいたつばきも「マーチン・ショウ」の大ファンだった。
「あんなショウを日本でも見られたら」と言うつばきに、隼也は「必ず日本にマーチン・ショウを呼んで見せる」と意気込んだ。
すでに色んな会社に制作費の一部を提供してもらえないか、栞には無断で交渉も始めていたのだ。

2人が店を出たところを、リリコと四郎にばったり出くわしてしまう。
リリコは「恋と仕事、いっしょくたにしたらあかんで」と冷やかした。

てんは栞に、隼也がハミルと会っていた事を話した。
栞は「マーチン・ショウ」に目をつけた隼也を認める一方、海外のショウを行ったことがない日本では、色々と調べなければならない事も多いのだと言う。
さらに栞には、何か気になる事もあるようだった。

雑記

北村25周年のタイミングで大好きな「マーチン・ショウ」を日本に呼べるかも知れないチャンス到来、と来たら暴走するのもわからなくはないんですが。
パンフレットの踊り子(ほぼ裸の露出度高い衣装)に対するおトキや風太の反応を見る限り、文化の違いとかいろいろ難しそう。
ただ藤吉も最初は壊れたパーマの機械を掴まされると言う大失敗してるので、やっぱり似た物親子?

「わろてんか」第20週 第111回『ボンのご乱心』

あらすじ

風太の決断。それはキースとアサリを解散させることだった。
レビューに押されて漫才が廃れてしまうのではないかと恐れた風太は、キースを東京に、アサリを大阪に据えて新しい相方を組ませ、盛り上げていきたいと考えていた。
キースとアサリは藤吉の作ったコンビでもあるため、てんは大反対。
アサリも受け入れられないと憤る。

風鳥亭の面々にも、その事を話したてん。
社史を編さんしていた万丈目は、常識破りで変化を恐れない事こそが北村笑店なのだと言う。
リリコも、コンビ解消はいかにも藤吉が言いそうな事だと笑い、周りもそれに同感するのだった。

伊能商会で働き始めた隼也。初めの仕事は宛名書きだった。
栞は名前や会社名、肩書などを覚えるよう指示し、人脈が物を言うのだと告げた。
てんは、隼也を受け入れてくれたお礼も兼ねてあいさつに来ていた。
キースとアサリの解散に未だ反対だったてん。
しかし栞までもが、風太の考えが正しいと言う。

アサリもまた、解散には頑なだった。
「また新しく面白いもんが作れる」と解散に前向きなキース。
アサリは、キースに頼ってきた自分が1人になるのは怖いのだと告白する。
キースは、女形も百面相もできるアサリを芸達者だと褒め、むしろ離れた方が面白い事ができるのではないかと言う。
そして「漫才と北村のために俺はやったろうと思うんや」と決意を口にするキースを、アサリは真剣な顔で見つめるのだった。

てんは自宅にキースとアサリ、風太を呼ぶと、解散に賛成すると告げた。
「笑いを作るもんは立ち止まったらあかん」それは藤吉の信念だった。
てんと風太は、改めてアサリに解散してくれるよう頭を下げた。
キースとのやりとりで心が決まっていたアサリはそれを受け入れ、キースとアサリは解散することになった。

おわかれ漫才が行われた日、客はわれ先にと押しかけた。
最後に披露したのは、相撲のラジオ中継。しゃべくり漫才が誕生した記念すべきネタだった。
てんは、キースとアサリのコンビ結成からの歴史を思い出しながら、2人の漫才を見つめるのだった。

雑記

とんでもない事のはずなのに、てんとアサリ以外はすんなり受け入れちゃった(笑)
古い、って言葉は風太にとって大きな意味を持ってたんですね。藤吉は常に新しい事を考えていて、それがしゃべくり漫才にも繋がって行ったわけですし。
それにしても今では考えられないですね。ピンで活動し、もう何年も漫才をしなくなっていても解散する芸人さんはほとんどいませんから。
ホンジャマカなんか若い人はコンビだと知らなかったりもしますし。

「わろてんか」第20週 第110回『ボンのご乱心』

あらすじ

ミス・リリコアンドシローは、2人目当ての客が殺到するほどの人気漫才師になっていた。
この勢いに乗り、北村笑店25周年を盛り上げたいてんは、役員会議でアイデアを募った。
万丈目は社史の編さんを提案し、風太は東京での大漫才大会をしてはどうかと言う。
栞は東京ではレビューが主流であることを挙げ、歌やダンスを取り入れたショーにしては、と言う。
漫才が中心だと譲らない風太は、栞と対立。
自分も意見しようと手を上げた隼也だったが、風太に冷たくあしらわれる。

「マーチン・ショウ」に感動した隼也は、それを栞に熱っぽく語った。
日本でも同じようなショーをやりたいと考えていた隼也だったが、2年下積みをすることで、アメリカで得たものが古くなってしまうのではないかと焦りを感じていた。
栞はその思いをぶつけなければならない相手がいるんじゃないか、と諭す。

隼也はてんに、25周年にやりたいことがある、と話し始めるが、やらなければならないことがあるのでは?とてんにたしなめられてしまう。
そこに通りがかった風太。隼也は2人から未熟さを指摘される。

話すら聞いてもらえない事に、焦燥感を募らせていく隼也。
再び直訴しようとするが、風太は自分は父親代わりと思って厳しくしていると言われてしまう。
隼也は「丁稚奉公は時代遅れ」「おっちゃんの頭は古い!」と反抗する。

マーチン・ショウのパンフレットを見せ、隼也は再びてんの説得を試みていた。
隼也はアメリカへ行きたいと言う夢を叶えぬまま亡くなった父の、やりたかった事はこれなのではないかと考えていた。
「お父ちゃんの夢を叶えたい」そう語る隼也に、藤吉の面影を重ねたてん。
しかし、栞の会社で修行したいと言う隼也に、風太に預けたのだから風太が認めるまでは許すわけにはいかない、と言う。

隼也に言われた言葉の意味を、考えていた風太は、飲み屋で栞と会う。
栞はレビューをやるべきで、そのためには風太の協力が必要だと言う。
漫才を100年続く芸にする事は、藤吉との約束でもあるが自分の夢でもあるのだと語った風太
栞は、自分も同じなのだと笑う。
北村笑店の役員を引き受けたのは、藤吉の頼みでもあるが、それが伊能商会を大きくするために必要だと考えたからだ。
2人は互いの「夢」に乾杯する。風太は、改まって栞にある頼みごとをする。

翌朝、風太はてんと隼也に、隼也を栞に預ける事を告げた。栞なら大丈夫だと言う風太に、隼也は喜ぶ。
そして風太はもう一つ、重大な決意を胸に、キースとアサリを呼び出した。

雑記

隼也に藤吉の面影を重ねるてんの目が潤んでて、しんみり。これって演出?それとも葵わかなさんのアドリブなのかな。アドリブだとしたら感情豊かな人なんだなあ。
アメリカで得たものが古くなる、と焦る隼也。これ、現在にも通じるものが。
意味のある仕事を任されるまでにどれほどの雑事をさせられることか。
たとえば発達障害の方は、専門分野に強い反面、単純な事務作業が苦手だったりしますが、事務作業でつまずくと「無能」とみなされ、本当に力を発揮するところまで行きつかない。と言う話を聞いたことがあります。
何てもったいない……。

「わろてんか」第19週 第109回『最高のコンビ』

あらすじ

ミス・リリコアンドシローの新しい漫才が初めてお披露目される日がやってきた。
隼也の考案した似顔絵まんじゅうを始め、売店は大盛況。
楽屋では緊張しきりの四郎が、リリコに「緊張してるくらいが面白い」のだと励まされていた。
2人は歌子の用意した「夫婦ぜんざい」を食べて高座へと挑んだ。

ミス・リリコアンドシローの「しゃべらん漫才」は客席を笑いの渦に包んだ。
楽屋へ戻った2人はみんなの拍手に迎えられ涙ぐむ。
ミス・リリコアンドシローの漫才を認めた風太は、2人を看板漫才師だと言い、これからもよろしくお願いします、と頭を下げるのだった。

売店の売り上げは3倍に伸び、隼也はこれで認めてもらえると喜ぶが、風太にあと2年は下働きをしろ、と言われ茫然とする。

てんは藤吉の仏前に高座の成功を伝えると、ふと、鈴を鳴らして後ろを振り返った。
しかしもう藤吉の姿が現れる事はなく、藤吉と喜び合えない寂しさを感じるてん。

その夜、眠るてんの側に、藤吉が現れる。
てんの成長と成功を喜ぶ藤吉は、改めて隼也と北村笑店をてんに託して消えるのだった。

雑記

初舞台の失敗と同じ事を、今度は「狙って」やってる感じがちゃんと出てて、松尾さんさすがだわーと思ったり。
鈴を鳴らして振り返り、藤吉の姿を探すおてんちゃんが切ない…。
てんが女興行師としてしっかり独り立ち出来た事で、もう出てこないんだろうな。
それにしても亡くなってからも幻影で2度も出すのはちょっと。
幽霊出すのは安易過ぎる演出だなーと思うのです。声だけとかならまだしも。
クランクアップしたはずの松坂さん、いつ撮影したんだろう(笑)