アウトライン~ドラマのネタバレあらすじ・感想

文章の練習がてら、ドラマのあらすじをまとめています

「わろてんか」第18週 第102回『女興行師てん』

あらすじ

リリコと四郎がコンビを組むことが決まり、楓は台本を。おトキは衣装を探すと意気込む。
その時、一人の男が風鳥亭に現れた。
2年前にアメリカ留学した隼也だった。

アメリカでショウビジネスを見る事が叶わなかった藤吉の代わりに、啄子に方々連れ回された隼也は多くを学んできたようだった。
興奮気味に語る隼也に、藤吉の姿を重ねたてん。
風太は隼也を次期社長に育て上げると宣言する。

てんたちは集まってコンビ名を相談中だった。
美女と大仏、月とメガネ…。どれもしっくりこない。
隼也は、アメリカでミスコンが行われている事を挙げ、美人のリリコにはミスの名がぴったりだと「ミス・リリコアンドシロー」と言うコンビ名を提案。
リリコは気に入るが、四郎は自分の名前に何もついていない事が不満だった。
リリコは新たに点を打ち、「ミス・リリコ、アン・ドシロー」とし、四郎をドシローと呼んでからかう。

衣装選びも難航した。
洋装を中心にあれこれ思案していると、再び隼也が意見した。
西洋文化が溢れているからこそ、あえての着物。コンビ名は洋風でも中身は大和撫子はどうかと言う。
これにも、てんたちは大賛成する。

楓は台本書きあがった台本を、文芸部長の万丈目に見せる。
万丈目はそのほとんど修正させ、すっかり自分の台本のように仕上げてしまう。
しかし、マンマンで台本がお披露目されると、リリコは「型にはまってて面白くない」とあっさり。
女性ならではのネタを期待していたてんも、期待外れだったようだ。
絶賛されるだろうと様子を伺っていた万丈目は、思わぬ感想に涙目になる。

リリコは歌の練習を始め、四郎は歌子の指導の元、発声練習を行っていた。
リリコは四郎からも歌を教わっていたが、譜面の読めないリリコは苛立ち始める。
売り言葉に買い言葉、またも2人は喧嘩を始め、四郎は万歳なんかできないと出て行ってしまう。
リリコは、人を傷つけるような事ばかり言ってしまう自分を反省しつつも、四郎とのコンビに限界を感じていた。

リリコと四郎は稽古に来なくなり、風太はてんに「女社長の道楽はやめにしたらどうや」と厳しく忠告する。

事の顛末を話したてんに、栞は四郎を相方に、と選んだわけを話した。
四郎は活動写真の楽士としても優れていた。スクリーンの役者とかけあいをするかのように饒舌な彼のアコーディオン
栞はリリコと四郎は共鳴しあえると思っていた。

てんは女興行師としての自信をすっかりなくし、藤吉の仏前で弱音を吐いた。
ぼんやりと鈴を鳴らすてん。すると鈴が手から零れ落ちてしまう。
慌てて拾おうとしたてんの手に、ふと誰かの手が重なった。
驚いて顔を上げたてんは、さらに声を上げて後ずさった。
目の前には、亡くなったはずの藤吉の姿があった。

雑記

キツい言葉で相手を傷つけてしまうこと、リリコは秘かに気にしてたんですね。
楓さんの毒舌もなかなかのものですよ。美女と大仏って(笑)前回も「美男は三日で飽きるけど音楽の感動は一生もの」とかって暗に美男じゃないって言ってるし。
そしてまさかの藤吉再登場…。
「鈴鳴らしたら現れる気がする」なんて亀井さんが言うから、藤吉に見えちゃったとかで、実は隼也とかって落ちだと思うんですけどね。
今回、藤吉っぽい隼也、っていう振りがかなりあったし。
あるいは夢オチかな?

「わろてんか」第17週 第101回 『女興行師てん』

あらすじ

栞がリリコの相方にどうかと一人の男を連れてくる。
てんやリリコたちは、栞の紹介なら男前に違いない、と期待するが、やってきたのはメガネの小太りの冴えない男だった。
活動写真で伴奏の楽士をしていた川上四郎。リリコはその顔を見て驚いた。
先日ぶつかったあの男だった。
音楽学校卒の優秀なピアニストだと言うが、楓を筆頭に不満は収まらない。
栞はともかく演奏を聞いて欲しいと言う。

四郎は「チャルダッシュ」を慣れた手つきで演奏。てんたちは興奮して拍手を送るが、リリコは四郎が気に入らない。
ぼそぼそと口ごもる癖を始め、何もかも好みではないとはねつける。
演奏は良かったと褒める歌子に、何度もズレてた音があったと指摘。
気分を悪くした四郎は、栞に万歳の相方を断り出て行ってしまう。

風太は楽器の演奏ができるからと言って万歳師になれるわけではない、と言い、スタア発掘は簡単じゃない、とてんの甘さを責める。

キースとアサリの稽古中に楓が遭遇。
リリコが優勝宣言したため、楓に対しても敵意むき出しの2人。
アサリは女に負けたら笑いもんや、と言い、楓の怒りを買う。
てんとキースが間に入るも、キースは、相手が男だろうと女だろうと自分たちは負けるわけに行かない、と闘志を燃やした。

栞は四郎を食事に誘い、仕事をあっせんできなかったことを謝罪した。
クラシックピアノでやって行きたかった四郎は、元々、楽士になりたかったわけではないと言う。
ましてや万歳、それもリリコのような偉そうな女の伴奏はしたくない、と。
そこへ、てんとリリコがやってきた。
リリコは四郎の言葉に腹を立てるが、てんと栞は偶然を装って相席する。
てんと栞の思惑に気付いていたリリコは、四郎に、マンマンで流しの仕事でもやれば良い、と言う。
その言葉を待ちかねていたように、四郎は再びアコーディオンを取り出し「チャルダッシュ」を演奏する。
今度は音が合っている事に気付いたリリコ。
アコーディオンの修理をした事を得意げに語る四郎に、リリコは再び腹を立てる。
リリコは音がずれている事に気付いていながら、素人にはわからないだろうと、そのまま演奏していた四郎の態度が気に入らなかったのだ。
2人は再び言い合いになり、てんや栞が止めるのも聞かず、マンマンを出て行ってしまう。

困り果てたてんは、女万歳師に否定的な風太に相談するわけにもいかず、亀井に話をする。
亀井は、自分に任せて欲しいと自信ありげに笑った。

風鳥亭にリリコと四郎を迎えると、てんは四郎の前に支度金を用意する。
目の前の札束を見て気持ちが揺れる四郎だったが、受け取ることは、リリコの手前プライドが許さない。
リリコも四郎と組むつもりはないと頑なだ。
すると突然、亀井が泣き落としにかかった。楓やてん、おトキもそれに続き、リリコはたまらず四郎と組んでやっても良いと承諾。
四郎は慌てるが、札束を握らされ、すっかりコンビ結成の流れになるのだった。

雑記

「リリコはプロ意識の人」改めて認識させられた回でした。
楽士も嫌々、素人の前では上から目線で演奏。それも全てリリコに見透かされていた四郎。
チャルダッシュは難しい曲として有名で、技巧に走る辺りも四郎の性格を表しているような気がします。
あとは、亀井による新喜劇的コントが見られて満足です(笑)
あの抜け目のなさ、実に亀井らしい!
情に訴えかけられると断れないリリコ、(乙女組以来)再びって感じですね。

「わろてんか」第18週 第100回『女興行師てん』

あらすじ

多角的な経営で大企業に成長していた伊能商会。
社長である栞の元を、てんとリリコが訪れていた。
てんは女流しゃべくり万歳のスタアとして、リリコを北村笑店に移籍させたい、と言う。
驚く栞だったが、映画はやりきったと感じていたリリコは、芸人への意欲を新たにしていた。
栞は撮影中の映画を完成させること、芸人として成功したら、また映画に出演する事を条件に移籍を認める。

風太はリリコの移籍に反対だった。女義太夫として活躍していたのは昔のこと。
今のリリコは通用しないと考えていたからだ。
北村笑店の社員たちは、万歳大会の準備に大忙しで、てんに協力する人手も足りなかった。

洋食マンマンでてんとおトキ、リリコの三人はこれかの方針を話し合う。
てんは、リリコの歌を生かした流行歌万歳をやってはどうかと言う。
問題は相方だった。
リリコの隣に並ぶなら美男子が良い、と言う歌子に、キースは万歳は顔でやるのではないと横やりを入れる。
万丈目も、万歳を引っ張るのは男であって、女は隣で頷いていれば良いと続ける。
自らも夫婦万歳時代に馬鹿にされた経験のある歌子は、2人を一喝して追い出した。

てんは女流万歳作家を募集し、面接を行っていた。
だが集まるのは文学趣味の女性ばかりで今一つ。
てんは作家にはお笑いが好きな女性が良いと考えていた。
そこに次の面接希望者が入ってきた。杉田楓だった。
楓は「うちを採用せえへんかったら、北村笑店にとって大損です」と堂々と宣言するのだった。

てんは楓をリリコに紹介した。
リリコは新聞記者でいた方が良かったのではないかと尋ねる。
楓は新聞社は男社会で女の意見が通らないと言う。万歳ならば思う存分女性の考えや気持ちを表現できると考えていた。
さらには、藤吉やてんの手伝いがしたいと言う思いもあったのだ。

晴れて作家として採用された楓だったが、万丈目と風太は多忙を理由に指導はできないと邪険に扱う。
てんは男性万歳作家も募集していた事を打ち明け、履歴書や参考に書いてもらった台本などを渡す。
売れっ子だけでなく、若手や芽の出ない芸人たちのネタにも作家をつければ、彼らの人気を後押し出来るかもしれない、と万丈目は喜ぶ。
てんは、これを機に北村笑店に文芸部を設立しようと提案。
万丈目が部長に就いた。

てんは作家が決まったことを栞に伝えてた。
着実に進めていくてんを讃える栞。てんは自信とやる気を新たにした。
一方で伊能商会の専務、山下勝利は栞が北村笑店に関わる事を「寄席道楽」と言って嫌っていた。
全ての映画をトーキーにしたことで、弁士と楽士から大きな不満が巻き起こっていたからだ。

文芸部では万丈目が、コンビの特色に合わせた台本を書くよう指示を飛ばしていた。
キースは若手たちの万歳大会に向けての野心を感じ、負けていられない、と自分たちも万歳大会に出る事を決意する。

てんはリリコにも万歳大会に出るよう誘う。
楓は流行歌を扱うのなら楽器も西洋の楽器を使ってはどうかと提案した。

外ではトーキー映画に反対する楽士たちが、デモ行進を行っていた。
撮影に向かって急いでいたリリコは、その中の一人、川上四郎とぶつかってしまう。

雑記

ここまで楓さんが出てくるとは思っていませんでした。
好きなキャラクターなので嬉しいです。
楓さんの履歴書には、経歴に「北村米問屋 営業部勤務」の文字が。
先に新聞社を辞めてしまっていたのも楓さんのハッキリした攻めの性格を表しているようです。
以前にも触れたのですが、弁士はその話術で芸人に転職して活躍する人も少なくなかったとか。きっとこの先、持ちつ持たれつで丸く収めていくんでしょうね。
あさイチの朝ドラ受けでは「伊能ちゃんはてんちゃんに甘わー」と苦言の有働さん。
ゲストは伊能(高橋一生)と同じ事務所の六角精児さん。
六角さんは「団吾師匠(波岡一喜)」と良く遊ばれるようです(笑)

アンナチュラル#3

あらすじ

ようやくスマホデビューを果たした三澄ミコト(石原さとみ)は、久部六郎(窪田正孝)や東海林夕子(市川実日子)と連絡交換をしてはしゃいでいた。
そこへ所長の神倉保夫(松重豊)が、裁判の代理証人として出廷を依頼する。

半年前、レシピ本を出版するほどの人気主婦ブロガー、桜小路しずく(音月桂)が、刺殺体で発見された。
容疑者として逮捕されたのは、夫の桜小路要一(温水洋一)。
被害者は無職の夫を日常的に罵り、趣味のフィギュアを勝手に処分するなどのDVを行っていた。不満を募らせての犯行と思われた。

UDIラボで解剖を受け持った事件の裁判だったが、当時解剖を担当した法医学者はすでに引退していた。

ミコトは裁判証人の経験がない事を理由に、中堂系(井浦新)の方が適任ではないかと言うが、臨床検査技師の坂本誠(飯尾和樹)にパワハラで訴えられている最中のため出廷は無理だと言う。

仕方なく引き受ける事になったミコトは、事件の担当検事である烏田守(吹越満)と打ち合わせを行う。
烏田はミコトが女性であることが気になるようだった。
被害者の死因は出血性ショック死。心臓を一突きにされ心停止した。
凶器は現場キッチンにあった被害者の包丁。
証言は傷と凶器が一致している事、刺創管についての見解について。
ミコトはUDIラボでは通常処分される血液や臓器について、海外同様に5年保存されている事を説明した。改めて調べる事で証拠の補強が可能だからだ。
しかし烏田は、予定外の証拠は不要だと言う。
迅速さを要求される裁判員裁判では、すでに裁判官、検事、弁護士であらかたの流れを決めるため、証拠や証人を新たに出さないのが普通なのだと言う。

烏田はミコトに、聞かれたことにだけ答えるように、と釘を刺した。

裁判が始まった。容疑者が罪を認めているため、どれくらい情状酌量されるかが焦点となっていた。
事件の第一発見者はマネージャーの正木(ひかる一平)。2階で寝ていた要一は事件を聞かされ「夢じゃなかったのか」と呟いた。
しずくが贅沢出来ていたのは、ブロガーとしての収入ではなく、要一が親から引き継いだ資産のおかげだった。
その資産で、しずくの弟、刈谷(清水優)は神田で京料理屋を持たせてもらっていた。

予定通りに証言するミコトだったが、検察側が提示した3DCGの画像を見た瞬間、思わず立ち上がって「傷と凶器が一致しない」と証言してしまう。
背骨についた傷の形状は、右利き用の包丁の物。凶器とされる包丁はしずくの物で、左利き用だった。

久部は一連の出来事を末次に連絡していた。
裁判は休廷する事となった。

烏田や裁判官は半年かけた準備を台無しにされたことを嘆いた。
一方で弁護士の亀岡文行(大谷亮介)はミコトに自らの名刺を手渡す。
名刺には、被告の桜小路要一が話をしたい、と言う旨が裏書されていた。

ミコトは一転、弁護士側の証人として出廷することになった。
面会した要一は、妻を殺した覚えがないと告白したのだ。
安定剤を飲み就寝した要一は、夜中にトイレで目を覚まし、リビングで血まみれの妻を発見したが夢だと思ってそのまま寝たのだと言う。
安定剤を飲むと記憶が飛ぶことがあり、知らないうちに殺人を犯していたのだと思い込んでいた。
客観的事実から、自分の犯行ではない可能性が出て来た事で要一は安堵していた。

裁判が再開された。
亀岡は、新たに用意された裁判員は年配男性が多く、裁判官は保守的な性格であるために、女性と言うだけで不利になると説明する。

検察側が用意した法医解剖医、草野教授(斉藤洋介)は凶器と考えて間違いないと断言する。烏田は草野のミコトを遥かに上回る解剖実績を盾にし、さらに「若い女性」と調教。途中で意見を変えた事に言及し、女性ならではだと批判した。
挑発に乗ってしまったミコトは、劣勢に立たされてしまう。

傍聴していた週間ジャーナル記者、宍戸理一(北村有起哉)は、末次にミコトの劣勢を告げるも面白おかしく書くつもりだと言う。

ミコトは自腹で肉の塊を購入。それを被害者に見立て包丁で刺すことで、実験を繰り返していた。
宍戸の書いた記事が週間ジャーナルに掲載された。
理性の検事VSヒステリー女法医学者、としてミコトを貶める内容だった。
久部は末次に意見するが流されてしまう。

話は中堂の訴訟に移った。中堂はなぜ自分が訴えられたのか理解できないようだった。
ミコトが中堂は「感じが悪い」と言い、立てる必要のない角まで立てるからだと非難した。
坂本は、中堂が何かにつけて「クソ」と言うのに強いストレスを感じていたようだった。
中堂は坂本に言ったわけではないと弁明する。

要一が再び罪を認めると言い出した。
裁判の様子を見て、勝てないと感じた要一は、無罪を訴えて心証を悪くするより、認めて情状酌量を求めた方が得だと考えたのだ。
さらに、しずくによって強い女性不信に陥っていた要一は自分の人生を女になんか預けられない、とも言った。

ネットでは、裁判の内容より男と女に分かれての論争が勃発していた。
ミコトは被害者の傷の深さは、被告の体格を考えると相当の助走をつけなければ無理であり、リビングでは犯行は不可能だった、と言う論点で行こうと考えていた。
しかし自身も弁護士である夏代(薬師丸ひろ子)は、その程度ではぬるい、と忠告する。

ミコトは要一を納得させるためにも証拠探しに奮闘する。
骨に傷がつくほどの勢いならば、刃こぼれしたかもしれない。
その成分が血液に混じっているのではないか、と考えるが、鉄やステンレスは血液中の鉄分と区別する事は不可能だ。
ミコトは傷口のある皮膚が浸かっていたホルマリン液ならば、血液と違い、凶器の成分を分離できると思いつく。

久部は荷物を取りに来ていた坂本と遭遇。
中堂を辞めさせることは不可能だとわかっていた坂本は、最初から自分が辞めるつもりでいたのだ。
久部に慰謝料目当てかと問われ、認める坂本。
開業医の息子である久部のような金持ちには、自分のように後がない人間を理解できないと言うのだった。

ホルマリン液を検査した結果、凶器はステンレスの包丁であることがわかった。
凶器と思われていた左利き用の包丁はセラミックで、一致しない。
ケイ素の成分が異常に高い事が気になるミコトは、さらに詳しく分析してもらおうと、ミクロリサーチ社に向かうが既に終業。
面会時間も終了し、要一を説得する事も出来なくなった。

久部は中堂に、坂本と話すよう説得をするが、中堂はすでに坂本に話し合いを拒否されていた。
そこでミコトは中堂にある提案をする。
一方夕子は、明日の公判に間に合うよう、検査して欲しいとミクロリサーチ社の本社に掛け合うも相手にされず、神倉にあらゆるコネを使ってでも交渉して欲しいと頼み込んでいた。
久部は先にホルマリン液を持って、バイクで本社へと向かっていた。

翌日。
傍聴に来た宍戸と、同じく記者の門松(今井隆文)は、裁判の結果を賭けようとはしゃいでいた。
烏田が圧倒的優勢と思われていたため、宍戸はいち早く烏田に賭けた。

裁判が始まり、ミコトが出廷できない事が告げられた。
そして代理として入廷したのは中堂だった。

ミコトは坂本に会っていた。中堂に「クソ」の禁止を約束するから訴訟を取り下げて欲しいと頼みに来たのだ。しかし坂本は戻りたくないと言う。
坂本の答えを想定していたミコトは、再就職先として、知り合いの教授への紹介状を手渡すのだった。

裁判では中堂が毒舌をふるっていた。
ホルマリン液から見つかったケイ素の成分は、詳しい分析の結果、合砥であることがわかったのだ。
合砥は希少な石で、京都の料理人などが包丁を研ぐ時に使う最高級の砥石だ。
烏田は解剖時の刃物の成分の可能性もあると反論すると、中堂は、解剖に使う刃物は全て使い捨てであることを断言した。
凶器は合砥で手入れされたステンレスの包丁。
それを聞いて、犯人が刈谷であると確信した要一は、自信をもって殺してない、と宣言し、中堂に感謝すべく頭を下げた。
しかし中堂は、「女は信用できない」と要一が言ったために自分が駆り出されと言い「ふざけるな」と一喝するのだった。

法廷の外では、賭けに勝ったと喜ぶ門松に、宍戸が女法医学者は尻尾を巻いて逃げたから、負けなのだと言う。
宍戸の興味は、元日彰医大の中堂に移っていた。

烏田が中堂に声をかけた。
以前から知り合いのような烏田の口ぶりに、ミコトは思わず耳を傾けた。

事件は刈谷の自供で幕を閉じた。
しずくの出版したレシピ本は、全て刈谷の考えたものだった。
店が傾きかけていた刈谷は、しずくに印税を要求したが冷たくあしらわれた事が犯行の動機だった。

ミコトに証言台に立って貰いたかった、と悔しがる夕子。
ミコトは法医学は法治国家に不可欠な学問であり、おざなりにされると言うことは無法の国家であると言う。
今回は、法医学の出した結論が正しく認められたから「法医学の勝利」なのだと笑う。

みんながバーベキューをする中、離れた場所でフォレスト葬儀社の木林と中堂が何やら話している。
2人の様子を見つめながら、ミコトは烏田が中堂にかけた言葉を思い出していた。

「法医学者は人殺しの方法を知り尽くしたプロ」
「いつまでも逃げおおせると思うなよ」

雑記

神回、と評判だった第3話。
吹越さん演じる烏田の嫌な男っぷり!女だから、どうせ女、しょせん女。
その分、中堂さんの毒舌にいつも以上にスカッとしました。
だけど実際の裁判で、女だから男だからなんて論理が通用してたら怖すぎる…。
嫌な男だけでなく、嫌な女(被害者、しずく)も出てた分、どっちもどっちって印象に終わりましたが。
解剖用のメスやハサミは使い捨て、と言う話がありましたが、実際は通常の手術でもメスの刃先は使い捨てるそうです。

「わろてんか」第17週 第99回 『女興行師てん』

あらすじ

藤吉が亡くなって4年。隼也は大学を辞めてアメリカに留学していた。
てんは風太と、おトキ。娘の飛鳥と4人で仏壇を拝むのが日課だ。
寄席の数は大阪・東京を中心に30軒まで増やし、300人を超える芸人を抱える北村笑店の女社長になっていた。

キースとアサリはしゃべくり万歳が当たり、超売れっ子に。に。
万丈目も人気万歳作家へと成長していた。
栞は取締役、亀井は席主代表としてそれぞれてんを支えている。

客入りが横ばいで、新しい展開が必要となる中、風太は「全国万歳大会」を企画し、万歳の発展を目指していた。
一方で栞はお笑いだけに留まらず、寄席の一部を改装し歌謡ショウを提案。
2人の意見は対立する。

てんは栞に、この4年やってこれたのは風太と栞のおかげだと言い、自分は社長として未熟だと考えていた。
栞はてんの社長としての功績を認め、その上でてんが新しいスタアを発掘すれば、お飾りではないことが証明される、と言う。

スタアの発掘が出来るのか、思い悩むてんに、落語家の柳々亭燕團が声をかける。
てんが事情を話すと、燕團はスタアは夜空の星ほど存在する、と言い、熱心に寄席を見ているてんなら、きっと見つけられると励ました。

風太は、てんは隼也が社長を継ぐまでの繋ぎだと考えていた。
女に興行は務まらないと思っている風太に、おトキは憤る。

おトキはてんに、自分にも手伝わせて欲しいと願い出る。
てんは、風太や飛鳥を気にしながらも、感謝する。
2人は、少女歌劇団の人気に目を付け、女性が憧れる女性の存在が寄席にも必要だと考える。
それには、華のある、しゃべりの上手い女性が必要だった。
そこへ仕事を終え、藤吉の仏前に拝みにリリコがやってきた。
てんとおトキは、まさしく「華があって、しゃべりの上手い」リリコに詰め寄るのだった。

雑記

栞がウインクした―!
高橋一生さんが好きで出演するドラマは結構見て来たつもりなんですけど。
ウインクする一生さんとか記憶にないんですよね。思わず巻き戻して見返してしまいました。
てんは女性万歳師を発掘しようとしていますが、1970年にコンビ結成した「今いくよくるよ」さんの時代でもまだ女芸人の肩身は狭く、大部屋で他の男性芸人の前で着替える事を余儀なくされていたそうです。今でもリアクションを求められる女芸人はいても、話術で楽しませてくれる人は少ないと感じます。
「カッコいい女性」を見たい女性は多いはずなんですけどね。

「わろてんか」第18週 第98回『女興行師てん』

あらすじ

てんの家には次々と弔問客が訪れていた。

亀井は落語「反魂香」の話をする。
香を焚くと死者が戻ってくるように、白文鳥の鈴の音で藤吉が現れるかも知れない、とてんを慰める。

遺影の前で引退する事を告げた岩さん。てんはこれからも家族だと温かい声をかけた。

キースは旅芸人だった頃のダメだった藤吉は、てんと出会って強くなったと言う。
2人はしゃべくり万歳を100年以上続く芸にすると藤吉に誓う。

万丈目は新しい台本を供えると、これからは台本書き一本で頑張っていくと決意。

リリコは藤吉に、てんと友達になって欲しいと頼まれていた事を明かした。
ありがとう、というてんに、リリコはすがって泣きじゃくった。

最後に栞がやってきた。
てんは、葬儀などで世話になったことに感謝する。
栞は、業務提携し北村笑店の役員になることを告げた。
すでに藤吉と契約書も交わしていたのだ。
栞の会社に得がないと思ったてんは、なぜ業務提携したのかと問う。
栞は藤吉を初めての親友だ、と言う。
人との絆を信じられずに生きてきた栞にとって、藤吉との出会いは大きなものだった。
「僕はあなたを支えて行きます」藤吉のように、てんがたくさん笑っていけるように。
それが藤吉との約束だった。
てんは改めて、遺影の藤吉を見つめ「おおきに」と言うのだった。

しばらくして、おトキが女の子を出産した。
風太が全身で喜びを表す中、てんは、その子を「飛鳥ちゃんや」と呼び、藤吉の命名書を手渡した。
それは、名づけを、と頼まれていた藤吉と二人で考えた名だった。

雑記

白文鳥に風鳥亭、隼(はやぶさ)也に飛鳥。藤吉はよっぽど鳥が好きなんだなと妙に感心した98回。
藤吉を偲び訪れる芸人たちのシーン、どの役者さんも演技素晴らしく泣きそうになりましたが、やっぱり栞の涙目にはグッとくるものが。
そして亡くなるまでに、いろんな人にてんを託して行った藤吉の愛情にも涙。
ただ、リリコは藤吉に頼まれるまでもなく、とっくにてんの友達だと思ってたんですけど(笑)

「わろてんか」 第17週 第97回『ずっと、わろてんか』

あらすじ

キースとアサリが”しゃべくり万歳”を完成させてから三日後、藤吉は再び倒れて入院する。
昔の夢を見ていた、と言う藤吉は、てんに「笑いの色は?」と尋ねる。
「茶色」と返すてんに、今度は「笑いの味は?」と尋ねた藤吉。

藤吉は、結婚する前、ケガを負った藤吉を無断で蔵にかくまって、父の怒りを買ったてんが、蔵に閉じ込められていた頃の夢を見ていた。
蔵の窓越しに藤吉が手渡した柿を食べたてん。
藤吉はそれまで笑わなかったてんが、その時少し笑った事が嬉しかったと言う。
藤吉は日本中に笑いを振りまくのが夢だと思っていたが、本当は「たった一人の女の子を笑わせたかった」のだと気付いた。
「これからもずっと、わろてんか」と言う藤吉にてんがうなずく。
藤吉は、北村笑店と隼也をてんに託して、静かに息を引き取るのだった。

おトキは、てんに白喪服を着つけながら、藤吉の早すぎる死を悲しんだ。
白喪服はてんが藤岡の家を出るときに、祖母ハツが仕立ててくれたものだ。
死に装束でもある白喪服を持って嫁ぐ事は、何があっても添い遂げる決意の表れだった。
車を用意し、迎えに来た栞は、白喪服で現れたてんに悲しげな目を向けた。
藤吉の葬儀には、全国から席主や芸人たちが集まり、盛大に執り行われた。

その晩、てんの自宅に集まっていた風太とおトキは、隼也が跡をつぐまで、てんを支えて北村笑店を守っていく事を決意するのだった。

雑記

結末が解っていても、藤吉の姿が忽然と無くなってしまうのは寂しいです。
白喪服ですが、戦前までは比較的一般的だったようです。男性も着ていたそうですが、女性は特に、再婚しないという意思のあらわれともされています。未亡人(本来なら夫の後を追うべきが、まだ亡くなっていない人、の意)と言う呼び方からも、女性の人生は夫の死と共に終える。と言うのが理想だったんでしょうね。
藤吉同様、脳卒中の挙句、食事も摂れない状態になってしまった親を持つ身としては、過度の治療をされるより藤吉のように眠るように静かに息を引き取りたいと思うこの頃です。