アウトライン~ドラマのネタバレあらすじ・感想

文章の練習がてら、ドラマのあらすじをまとめています

アンナチュラル#1

不自然死究明研究所、通称UDIラボでは、検査を請け負う企業が常駐するなど死因究明に特化した施設だ。
厚労省を辞職後に所長に就いた神倉保夫(松重豊)の元、法医解剖医は二人。
4ヵ月前から働き始めた三澄ミコト(石原さとみ)と、誰も組みたがらない傍若無人な男、中堂系(井浦新)。

他に、臨床検査技師の東海林夕子(市川実日子)と同じく臨床検査技師の坂本誠(飯尾和樹)。
そして入ったばかりのアルバイト、医大生の久部六郎(窪田正孝)がいた。

UDIラボに、高野島健一(野添義弘)と妻響子(長野里美)から、突然死した息子、渡(野村修一)の死因を調べて欲しいと言う依頼が入る。
心不全と片づけられていた何人もが、実はガス給湯器の異常による一酸化炭素中毒だった事が判明した事件もあり、両親は元気だった息子にも何か起きたのではないかと疑っていた。

さっそく、フォレスト葬儀社から高野島の遺体が運ばれてくる。
たった今解剖を終えたミコトと中堂。しかし中堂ははなから受けるつもりはなく、公平に決めようと言うミコトに中堂は、俺と実績が並んだら公平に決めてやる、と吐き捨てた。
ミコトの症例数は若いながらも1500。中堂はその倍の3000だった。

高野島の解剖が行われなかったのは、住んでいた場所が解剖のできる医大から遠く離れていた事が原因だったが、そのほかにも様々な要因から解剖には地域差が生まれていた。
死ぬときは場所を選ばないと、と笑うミコトたちに驚く久部。

ミコトによる解剖が始まり、すぐに虚血性心疾患でないことがわかった。
実際の死因は急性腎不全。
毒物中毒の可能性もある事から検査に回された。

ミコトは安い時給なのに希望してきた久部に、いっそ解剖医にならないかと誘うが、久部は法医学は死んだ人のための学問だと言い切り、難色を示す。
ミコトは法医学を未来のための仕事だと返した。

高野島と仕事をしていた外部デザイン会社の敷島由果(田中こなつ)が高野島の亡くなった翌日に突然死している事がわかった。
久部は思わず「連続毒殺事件……」と呟く。

ミコトたちが駆けつけるも、由果の遺体はすでに荼毘に付された後だった。
母親の直美(いしのようこ)は、警察からは、喘息発作によるものだと説明されたと語った。

帰り際、車の中で笑いながら会話するミコトと夕子に愕然とした久部は、それを友人の末次に飲みながら愚痴るのだった。

ミコトは恋人、関谷聡史(福士誠治)との待ち合わせに急いでいた。
付き合って3年になる二人、聡史はミコトを両親に紹介しようと考えていた。

家に帰る前に実家へ立ち寄ったミコトは、母の夏代(薬師丸ひろ子)と弟の秋彦(小笠原海)に付き合っている人を紹介したい、と話す。
大喜びする夏代、一方で秋彦は相手は”本当”のミコトを知っているのかと意味深に問うのだった。

薬物検査では何も出なかったが、調べられるのは200種類まで。
ふぐ毒のテトロドキシンですら、登録されておらず、個別で調べるしかない。
夕子は、この世で最も恐ろしいのは「名前のない毒」だと言う。
新しい成分の毒は検出できない。そんな毒を作れば人知れず殺し放題だ、と。

ミコトたちは高野島のマンションを訪れ、冷蔵庫の中の食材からシャンプーなどの薬品に至るまで採取した。
ありふれた物でも、毒として作用する可能性があるからだ。
そこに高野島の恋人であり第一発見者でもある馬場路子(山口紗弥加)がやってくる。
淡々と当時の状況を語り、今日は事件現場でもあるこの部屋に泊まるために来たのだ、と言う路子。
彼女が高野島を毒殺したのではないかと疑い、尋問じみた行動を取る久部。ミコトは慌てて制止した。

次に高野島の勤務していた会社を訪れ、デスクやロッカーの私物を集める。
そこには外国製と思われるクッキーなどもあった。
久部はここでもワンマンプレーに走り、上司の松戸に2人の関係などを執拗に聞く。
路子は薬品による研究開発に携わっていた。

社内では、三角関係になった路子が、高野島と敷島を殺したのではないかと噂になっていた。
一方、路子が研究しているポリエチレンにはエチレングリコールと言う薬品が使われている事も判明。
エチレングリコールは、喘息発作や腎臓障害の原因にもなる。
ミコトは高野島のデスクにあったクッキーが、由果の遺影の前に置かれていた物と同じである事に気付く。
エチレングリコールには甘みがあり、混ぜる事は可能だった。

しかし、クッキーからも高野島の検体からもエチレングリコールは出ない。
神倉は「説明できない突然死」で診断書を出そうと言う。

行き詰ったミコトは、中堂に意見を求めるが、パソコンで論文の検索でもしろ、と突き放して所長室へ籠ってしまう。
試しに検索してみるが、英文の並ぶのを見て途方に暮れるミコト。
そこに久部が戻ってきた。
あれから調べた結果、お菓子は路子ではなく高野島が購入し由果に上げたものだと言う事。
2人がデキているという噂も、高野島の風邪が由果に移っただけの事だった。
ミコトは高野島の出張先がサウジアラビアである事、亡くなる前に風邪の症状を訴えていた事から、MERSコロナウイルス(中東呼吸器症候群)の可能性に辿り着く。

ミコトは常駐企業に向けて、遺伝子増幅法などでMERSの検出ができるところはないかと声をかける。普通の方法では遺体の状況から検出できないからだ。
逆に死後200時間以上経過し、ウイルスが不活化している事から、研究所内での感染のおそれはない。
過去の症例から、MERS感染者が免疫の過剰反応から急性腎不全になったケースがあること。MERSの症状である急性呼吸ひっ迫は、由果のぜんそく発作による死因とも合致した。

やがてPCR法での検出が出来る企業が名乗りをあげ、高野島渡の死因はMERSであることが確定した。
国内初の感染者の死亡は一斉に報道され、2人と接触した可能性のある82人は陰性だとわかるまで隔離。
神倉は記者会見を行い、UDIラボの重要性を熱く語った。
会見をラボのテレビで見ていた久部は「法医学は未来のための医学」と言う神倉の言葉を繰り返した。

ワイドショーでは、風邪の自覚症状があったにも関わらず、空港で検査を受けなかった高野島に非難が集まっていた。
男性Aと呼ばれた高野島。由果の母、直美も涙ながらにカメラの前で高野島を責めるのだった。

解剖を依頼した高野島の両親は、マスコミに追われ疲れ切った表情で葬儀を行った。
我慢強く、と育てたのが悪かったのか、と頭を下げる両親にミコトはやりきれない思いでいた。

式が終わると、路子は高野島は無実だ、とミコトに一通の封筒を手渡した。
健康診断の結果を知らせる通知。高野島は帰国して三日後に健康診断を受けていた。
しかしミコトは、健康診断でMERSの検査はしないこと、自覚症状がいつからあったのかの証明はできない事。
そして「今よりもっとつらいことになるかも知れません」と路子に告げるのだった。

ミコトの言葉通り、さらに騒動は大きくなっていく。
健診に訪れた東央医科大学病院では、高野島と接触した可能性のある患者が48名。検査の結果、病院関係者も含め8名に感染が確認された。

フォレスト葬儀社の中林は中堂に、今回の事でUDIラボへの依頼が増えると、課外活動に支障が出るのでは?と言う。
そして今月は「赤い金魚」が出なかった事を伝えると、中堂から金を受け取った。
中林はさらに、東央医大での死者が増えている事をほのめかすのだった。

ミコトは封筒を返しに路子に会いに来た。
路子は一緒にいれば高野島を一人で死なせずに済んだ、と後悔していた。
ネットではすでに本名も顔写真も明かされ、「高野島ショック」と揶揄されている事に触れ、真面目だった人が極悪人扱いされるくらいなら、封筒を渡さなければ良かったという。
ミコトは路子が封筒の存在を知らせてくれたことで、被害が拡大せずにすんだ。と慰めるが、路子にとってはもはや「誰が死んでもどうでも良い」のだった。
落ち込む路子に執拗にあんパンを勧めるミコト。
「そんな気分じゃないから食べるんです」と言う言葉に渋々食べて、おいしい、と涙を流した。
路子は帰国した翌日にお土産として指輪を受け取っていた。
そして一夜を共にしたのだ。
それを聞いたミコトは目の色を変え、その夜「した」のか、キスは何回くらいしたのか、と路子を問い詰めた。

高野島はキスが大好きな男だった。その夜は濃厚なのを少なくとも20回以上は交わした。
しかし、路子はMERSに感染もしていないし体内に抗体もできていない。
これは路子がウイルスに一度も接触していない事を表していた。
高野島はサウジアラビアで感染して帰国したのではなく、健康診断に訪れた東央医大で感染したのだ。
だが証拠がない、と悔しがるミコト。なかった事にしようと言う神倉。
そこに中堂が書類を持って現れた。
東央医大で、MERS感染と疑われる患者が何人も亡くなっていると言う。
院内感染では証拠隠滅されてしまうが、最後に亡くなった患者の葬儀は今から行われるのだと言う。

久部が運転するバイクに乗り、ミコトは急いで斎場へと駆けつける。
間一髪で火を止めて事なきを得た。
久部は中堂から渡された解剖許可書を見せ、これで遺族の承諾なく解剖できる、と説明する。
ミコトは機械は強制的に止めても、人に強制したくないと書類を突き返し、遺族に詰め寄られながらも事情を説明するのだった。

院内感染を疑われた東央医大の駕籠武(村井國男)院長は、弁護士を伴ってUDIラボを訪れていた。
神倉に自分たちは被害者で、全ては高野島渡のせいだと言う。

東央医大の患者、門野雄二の死因は急性肺炎だった。検査は15分で終えると言う夕子。
イムノクロマト法によるMERSウイルス検査キットを取り寄せたのだと言う。

同じキットを1か月前から東央医大の関係者も取り寄せていた。
研究のため、と言い訳する駕籠に神倉は200ロットは多すぎると詰め寄る。
証拠にはならない、と笑う駕籠。
退席しようとすると、ミコトが飛び込んできた。
門野雄二からMERSウイルスが出たのだ。
門野と高野島の検体を詳しく調べればどちらが先に感染したのかもわかる。
ミコトは「ウイルス漏れを隠すのは、名前のない毒をばらまくのと同じ」と。
遺族がこれから生きていくためにも、高野島渡の名誉回復をして欲しいと詰め寄った。

ミコトは聡史が両親と待つホテルへ急いでいた。
しかしすでに聡史の両親は帰った後だった。大事な時まで仕事を優先したミコトに、聡史は落胆していた。
そして3年付き合っても知らない気がする、家族になることに不安がある、と告げられてしまう。

夏代の元に、ミコトから恋人との顔合わせが中止になったと電話が入った。
どうして、と言う夏代に秋彦は、寝顔を愛せる人と結婚しろ、と言うが、ミコトは自分の寝顔を見せられないのだ、と答えるのだった。

翌日、駕籠院長は院内感染を認める会見を開き、高野島の名誉は回復された。

ミコトは偽物の書類を中堂に突き返した。そして自分たちが協力すれば無敵なのでは?と言う。
敵は何だ、と尋ねる中堂にミコトは「不条理な死」だと答えた。

久部は今回の一件で解剖に興味が出たのか、それを電話で末次に語っていた。
しかし末次は意外な事を口にする。ミコトは養子で本当の名前は「雨宮」だと。
そして「雨宮 浦和市 一家四人無理心中」で検索してみろ、と――。