アウトライン~ドラマのネタバレあらすじ・感想

文章の練習がてら、ドラマのあらすじをまとめています

アンナチュラル#5

あらすじ

坂本(飯尾和樹)が辞めた事で、UDIラボでは2件同時の解剖が難しくなっていた。
所長の神倉(松重豊)は、しばらくの間、調査法解剖を中心に受け入れる事を決める。
ミコト(石原さとみ)のサポートに回された中堂(井浦新)は不満を訴えるが、この事態を引き起こした中堂に発言権はない、と神倉に言われてしまう。

UDIラボを絶対に辞めない、と言っていた中堂。その理由がミコトにはわかる気がしていた。
中堂の恋人、糀谷雪子(橋本真美)を殺した犯人は未だ逮捕に至っていない。
彼女の死を連続殺人犯によるものだと考えていた中堂は、彼女の遺体に残されていた不自然な(しかし警察を動かせるほどではない)特徴が他の遺体にもないか調べていた。
その為には、全国の不自然死の情報が集まるUDIラボに在籍する必要があった。
中堂が木林(竜星涼)を使って探していた「赤い金魚」とは雪子の口の中に残されていた小さな印の事だった。

MARSの一件でUDIラボを知った知った男性からの依頼で、もうじき遺体が運ばれ来る。メディアの影響について話すミコトと夕子(市川実日子)は、週間ジャーナルが「従業員の反乱」として蜂蜜ケーキの一件を取り上げた記事の話題に移った。
スパイとしてUDIラボに潜入中の久部(窪田正孝)が書いた記事だとは知る由もないミコトは、無邪気に喜ぶ。
夏代(薬師丸ひろ子)によると、記事によって社長が弱腰になり、このまま行けば原告の望み通り示談に持ち込めそうなのだ。
 久部は思わずにやけるのだった。

葬儀の準備をしていた木林は、ご遺体の口の中を調べていた。
部下の川辺が何をしているのかと尋ねると、あるものを探してる。それを見つけたらこれだけ貰えるのだと、と指を1本立てた。

しばらくして、青森から調査解剖の遺体が運ばれてきた。
依頼者は鈴木巧(泉澤祐希)。遺体は妻の果歩(青木美香)で、警察では自殺と断定されていた。
釣り人が彼女が海に飛び降りるところを目撃していたのだ。
しかし巧には果歩が自殺したとは信じられないのだと言う。

解剖が始まりしばらくすると、神倉と木林が血相を変えて飛び込んできた。
遺体は葬儀場から盗まれたもので、巧と果歩は同じ鈴木姓の同棲中の恋人だったのだ。

家族の許可なく解剖すれば、それは「遺体損壊罪」にも問われかねない。
警察署を訪れた神倉とミコトは、刑事の毛利に必死に弁明する。
ミコトは騙されて解剖しただけなので、お咎めなしではあったが、今回の件は保健局に報告されると知り焦る神倉。
果歩の両親は娘の身体に傷をつけること嫌がり、遺体はその後、中堂によって閉じられた。

巧は逮捕されてもすぐに釈放される見込みだった。
そうせざるを得ない事情が彼にはあったのだ。
事件当日の夕方、女性が海に落ちたところを目撃した釣り人の通報で、警察が捜索したところ、1時間後、落ちた場所から少し離れたところで果歩の遺体を発見。
持ち物から判明した住所の自宅を訪れるも、泊りがけの仕事に出ていた巧は不在で連絡も付かない。
仕方なく免許証の本籍地から実家を割り出した警察によって、東京の両親が引き取ることになった。
仕事を終え戻った巧は事件を知る漁協の人たちから果歩の死を知らされる。
すぐに果歩の実家へ駆けつけるが、両親は果歩は巧みに捨てられたせいで自殺したのだと思い込んでいた。
弁明するも、激しく責められ門前払いされた巧は、葬式への参列すら拒否される。
遺体を強奪したのは思い余ってのことだった。

木林が葬儀前に遺体がない事に気づき、青森県警に通報。
同時期、UDIラボも遺体の発見状況について青森県警に問い合わせていた事から二つが繋がったのだ。

途中までの解剖しかできず、自殺か事故かの判断はできなかった。
肺の中のプランクトンを調べて、淡水なら他殺では?と問う久部に、溺死したのが淡水か海水かと言うだけなら、心臓血の電解質濃度を調べればわかる、とミコトは言う。
海水で死ぬと左室血の電解質濃度が上がる。遺体は海水で亡くなっていた。
胸腔内のプランクトンを調べようとするも、神倉によって阻止された。
すでに遺体番号666番は、欠番扱い、これ以上の検査は問題になるとの判断だった。

すると中堂に頼まれ検査を行った検査員が、遺体番号が書かれていないため決済にまわせないのだと書類を持ってきた。
それを見たミコトは思わず顔色を変えた。まぎれもなく果歩の胸腔内の検査結果だった。

中堂を問いただすと、さらに肺も保管しているのだと言う。
窃盗ではないかと責めるミコトに「閉じろと言われたが、取り出した肺を身体に戻せとは言われなかった」と屁理屈をこねる中堂。
珍しく中堂が深入りしている、と感じたミコトはその理由を尋ねた。
「今」調べなければ、永遠に答えの出ない「なぜ」と向き合い続けなければならない。
そんな(自分のような)人を一人でも減らすのが法医学の仕事じゃないのか、と言う中堂。

倫理的に問題があっても、誰かの一生を救えるなら目をつぶるべきか。
「答えの出ない問い」それはミコトにも覚えがあった。
実の母は家族を巻き込んで無理心中することに躊躇がなかったのか。母が死んでしまった今となっては永遠に聞けない問いだった。
二十歳になったころ夏代から両親について色々と聞かされたミコト。2人の夫婦仲は良くなかったと言う。
そのおかげで納得はできなかったが、整理はできた。
しかし未解決事件の遺族は永遠に「どうして」と考え続けなければならないのだ。
夏代はふと気になって、UDIラボの人たちはミコトの過去を知っているのかと尋ねた。
同情されたくないミコトは、今まで誰にも話したことはないと答えた。

中堂は事件を調べるために青森へ。
ミコトと久部は調査の中止と依頼料の返却のため、釈放された巧会いに行っていた。
果歩の両親は巧を訴えるつもりはないが、二度と関わるなと言い、やりなおしの葬儀への参列も断った。
ミコトは事故か自殺かはわからなかった、と言って依頼料を返すが、巧は土下座をしてどうしても調査を続けて欲しいと頼み込んだ。
事件の前、婚約指輪の代わりにネックレスをプレゼントした。とても喜んでいた果歩が自殺するとは巧にはどうしても思えなかった。「本当のことを知りたい」それが巧の切実な願いだった。

義憤にかられた久部は、UDIラボが動けないなら、蜂蜜ケーキの時のように、マスコミを動かそうと考え、週間ジャーナルの末次に直訴する。
しかし事件が地味で魅力がないと切って捨てた末次は、金を払っているのだから下世話な記事を持って来いと一喝する。

やさぐれた気分でUDIラボに戻ってきた久部は、ミコトが中堂と一緒にいるところを目撃し、二人の仲を疑う。

中堂は飛び込んだ地点と発見された地点では、海流に流されたと考えても1時間で移動できる距離ではないと言う。
そこで入水地点、発見地点の海水、どちらが遺体と一致するかを調べることで、被害者が亡くなった地点を確定させようと考えた。
入水地点は、密漁者が現れるほどウニがたくさん取れるが、発見地点ではウニはほとんど取れない。
この事から、それぞれの海水に含まれるウニ特有のプランクトン「プルテウス幼生」の数で区別できる。

その時、放送で中堂が呼び出された。胸腔内検査の書類にミコトが遺体番号666と記入し検査技師に渡したことで、中堂が無断で検査した事がばれたのだ。
責める中堂だったが、ミコトは民間の検査機関に依頼すべきだと中堂の脇の甘さを指摘した。
中堂は自分の代わりに海水を調べろと言う。
「命令ですか?」とあきれるミコトに、中堂は戸惑いながら「協力を……要請する」と答えるのだった。

ミコトと中堂は買い出しをして中堂のマンションへ向かった。
市販品を使って、自分たちで検査するためだ。
引っ越してきて1年になると言う中堂の部屋は驚くほど物がなかった。
久部は中堂に頼まれ、UDIラボから顕微鏡を持ち出して、マンションへ向かっていた。
しかし玄関から出てきたのはエプロン姿のミコト。何も知らない久部は2人はそういう関係なのかと落ち込んだ。

状況を理解した久部が持ってきた顕微鏡で、ミコトと中堂によるプランクトンの検出が始まった。
強い酸(壊機法)か酵素(酵素法)を使い、ゴミを溶かしてプランクトンを検出するのだが、プルテウス幼生は主にたんぱく質のため、強い酸では溶けてしまう。
そこで弱い酸(台所用漂白剤)を使って行っているのだが、ゴミが多く残ってしまい上手く進まないのだ。
ミコトはさらに助っ人として、夕子を呼び出した。
事情を聞いた夕子は、水酸化ナトリウムの含有量が高く粘り気もある弱い酸(パイプ用洗浄剤)を差し入れる。
これでプランクトンがクリアに見えるようになった。
酔って寝ている久部と夕子、一旦休憩していたミコトは、場違いな絵本を見つけた。
「茶色い小鳥」と言うタイトルで、作者は「こうじや ゆき」中堂の亡くなった恋人の本だった。
絵本を読んだミコトは、中堂のために法医学者として何かできることはないかと考える。

朝まで検査した結果、果歩の胸腔内からはプルテウス幼生が多く見つかり、発見地点の海水の特徴と一致した。
結果を毛利に報告するミコト。考えられる事は、入水地点から泳いで発見地点まで行き、そこで力尽きた。
あるいは誰かに上がることを阻止された。
改めて遺族に解剖の許可を、と言うミコト。
しかし毛利は、青森でも解剖を拒否したため、死亡後CTのみで溺死と判断した経緯を話した。
CT画像があると知ったミコトは、すぐにそれを送って貰うよう依頼する。

 送られたCT画像を見たミコトは、死亡直後にしては肺が小さい事から、ドライ・ドローイング(乾性溺水)の可能性を疑った。
果歩は顔から水に飛び込み、顔面反射(エベック反射)を起こして水中では意識を失っていた。
つまり、泳いで発見地点に辿り着いたわけではなく、発見地点で落ちたのだ。
ミコトがそれに気づいたとき、一緒にCT画像を見ていたはずの中堂は、忽然と姿を消していた。

目撃者の釣り人とも話をした中堂は、証言が嘘ではないと感じていた。
その上、目撃された女性は「足から」落ちたのだ。
果歩の死に深く関わっている女が、偽装工作のために飛び込んだと考えて間違いない。
それらの事実を聞かされた巧は、果歩と同じ年恰好で同じジャンパーを着ている女性に心当たりがあるようだった。
中堂から、遺体発見時の果歩が、ネックレスを付けていなかった事を聞き、いよいよ確信を得た巧は、その女に会いに葬儀場へと向かうのだった。

漁協で果歩と同僚だったまゆは、巧に頼まれて果歩の葬式に来ていた。
「鈴木くんの事、許してあげてください」そう言って涙を流すまゆを、離れたところから憎悪の目で見つめていたのは巧だった。
巧は包丁を隠し持って、真っすぐまゆにぶつかって行く。
まゆは倒れ込み、あれは事故だったのだと弁解をした。
黙って借りたネックレスを返せと迫られ、押し合いになって果歩は海に落ちた。
なぜすぐに助けなかったのか、と追及する巧に、まゆは、自慢する果歩に嫉妬したと言う。
「なんであんな子が、私より幸せなの。私は悪くない」
自分勝手すぎる動機に逆上した巧は、再び刃物を振り上げる。
慌てて駆けつけたミコトと久部は、制止しようとするが叶わなかった。

ミコトは中堂の元に駆け寄り、なぜ止めなかったのかと責めた。
中堂は「殺すやつは殺される覚悟をするべきだ」と冷たく言う。
そして人殺しになってしまった巧を「思いを遂げられて本望だろう」とも。

久部は連行される巧をカメラに収めていた。
末次はスクープ写真に喜び、ボーナスだと久部のデスクに金を置いた。
久部はそれを受け取らずに編集部を後にした。

ミコトとの電話で、まゆが一命を取り留めた事を知った久部。
その声が泣いているように聞こえた久部は、慌ててミコトの元に駆け付けた。
警察署から出てきたミコトは中堂と話している最中だった。
まゆが助かったと聞いても、中堂は「素人は刺す場所をわかっていない」とそっけない。
ミコトは中堂にUDIラボを辞めるよう求める。
断る中堂に、それならば糀谷雪子の事件を話して欲しいと言う。
中堂を気遣う事が「クソばかばかしくなった」ミコトは、事件を解決して中堂の永遠の問いに決着を付けようと考えていた。

雑記

まゆちゃんが命拾いしてガッカリ。って思ってしまうくらい嫌な女だったなー。
巧が好きだったらまだしも、そんな感じでもなかったし。
果歩が死んだと巧に知らせた時も「鈴木くんひどいよ、果歩ちゃんほっぽって」ですと!殺しておいてまー!
一家無理心中で生き残った子供は犯罪者になる、と言っていた事からも中堂は理由があれば犯罪に走っても仕方ないと思っている節がある。
一方のミコトは、殺人そのものを憎んでいる印象。
ドライ・ドローイングと言えば、アメリカで、プールから戻った少年がお昼寝してると思ったら亡くなってた、なんて衝撃的な事件が有名です。