アウトライン~ドラマのネタバレあらすじ・感想

文章の練習がてら、ドラマのあらすじをまとめています

「わろてんか」 第17週 第96回『ずっと、わろてんか』

あらすじ

隼也は番組表に興味を持ち、藤吉に教えて欲しいと言う。

訪ねて来た栞に、藤吉は北村笑店の役員になって欲しいと頼む。
映画や芝居に比べると、寄席の人気はいま一つ。
海外にならい、映画に芸人を出す事でお互いに良い効果が得られるのではないかと考えていた。
続けて藤吉は、てんの事をどう思っているのか、と尋ねた。
栞が結婚しないのは、てんを思っているからなのか。
栞は、てん以上に魅力的な女性と出会えていないから(結婚しないの)だと笑う。
その上で、てんに出会えたからこそ藤吉とも出会えた事。てんと藤吉の絆が自分にとってかけがえのないものだと告げた。
栞にとって二人は同志なのだ。

お披露目には、栞とリリコも招待された。
タキシード姿で現れたキースとアサリは、お互いを「キミ」「ボク」と呼び合い、相撲をテーマにしたネタを披露した。
新しい万歳の誕生に、藤吉は笑いながらも涙を流していた。
藤吉は二人を讃え、新しいスタイルの万歳を「しゃべくり万歳」と命名する。
万丈目にこれからもネタを書いてくれるよう頼むと、栞にも声をかける。
「栞くん」「確かに引き受けた」と。

雑記

最後の二人のやり取り。あれって「てんのことを頼む」って事なんですかねやっぱり。
それとも単純に役員の件かな?
亀井が行ったのは本締めは「大阪締め」
大阪人には馴染み深いもので、景気が良いというか、めでたい感じがして私は好きです。
「打ちまーしょ」(パンパン)
「もひとつせ」(パンパン)
「いおう(祝う)て三度」(パパンパン)
ちなみに「うーちましょ」は女締め。「うちまーしょ」は男締めです。

「わろてんか」 第17週 第95回『ずっと、わろてんか』

あらすじ

万丈目の台本に不満気の風太。藤吉はラジオの相撲中継の真似をしだす。
万歳にラジオを取り入れたら面白い、と喜ぶ一同。
しかし藤吉は風太と組みあったまま倒れ込んでしまう。

病院に運び込まれた藤吉。すぐに意識を取り戻したが、2度目と言うこともあり、てんは医師から覚悟するように言われていた。
なぞかけをして笑わせようとする藤吉。てんは涙を浮かべながらも笑みを浮かべた。
藤吉は「うちに帰りたい」と弱々しく呟いた。

風鳥亭では藤吉のためにも新しい万歳の完成を急いでいた。

リリコは花束を抱えて見舞いに向かっていた。訪れる直前に笑顔を作って。
藤吉はてんを買い物に出すと、リリコに芸人に戻らないかと誘う。
寂しい思いをしてきたリリコだからできる笑いがある、と信じている藤吉は風鳥亭の高座に上がって欲しいと考えていた。
「初めて藤吉に口説かれた」と笑うリリコ。藤吉はさらにリリコにある頼みごとをする。

マンマンでは、台本書きに苦しむ万丈目の尻を歌子が叩いていた。
キースとアサリは風太と共に新しい万歳の衣装を考えていた。
おトキが流行を取り入れてはどうか?と提案するも、相手にしない風太
ガッカリしたおトキは、直後につわりで苦しみだした。

おトキを介抱したてんは、風太に優しくするよう注意する。
風太はおトキの意見を取り入れる、と約束した。

自宅に戻った藤吉は、てんに初めて出会った頃の思い出話をする。
本当に自分で良かったのかと悩んだ時もあった、と言う藤吉。
てんは、ずっと藤吉と笑ってきた、とその手を握った。
小さな寄席から始まって、大きく発展した北村笑店。
しかし倒れた時に夢を見て、藤吉は気付いたという。

「ほんまに俺がやりたかったんはな……」

そこに風太が入ってきた。
新しい万歳が完成したのだ。風太は明日の昼席前に、てんと藤吉の前で披露すると告げた。

雑記

「ピタッと来た!」金太郎の前掛けを身体に当てて言う風太。まさか国営放送で企業のCMを思わせるセリフが飛び出すとは。
関白宣言したのに、おトキちゃんにめっぽう弱い風太が可愛い。
リリコに何を頼んだのか。藤吉が「ほんまにやりたかった事」はなんなのか。
もやもやを残したまま明日へ続くんですねえ。

アンナチュラル#2

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あらすじ

事件現場に呼ばれ駆けつけた三澄ミコト(石原さとみ)、東海林夕子(市川実日子)、久部六郎(窪田正孝)。
しかし発足まだ2年のUDIラボの知名度は低く、大学にいたころからの知り合いでもある毛利忠治(大倉孝二)によってようやく現場に入る事が出来た。

毛利が事件が練炭による一家心中だと言うと、久部は思わず声を上げた。

ミコトの本名は雨宮美琴。
雨宮総合病院院長の雨宮英二を父に持ち、母、祥子(細野今日子)と兄との4人家族だった。
一家心中の末、ミコトだけが助かり、父の妹夫婦が養子として引き取ることになったのだ。
そんな過去を知ってか知らずか、夕子はミコトを練炭のエキスパートだと言い、ミコトは練炭はお勧めしないと笑う。

遺体を発見したのは郵便配達員だった。
ポストに配達員宛ての手紙が貼ってあり、そこに練炭を焚いたことが記されていたため通報。
現場では4人が遺体で発見された。
集団自殺で処理しようとする毛利だったが、ミコトはきっちり調べるつもりだと言う。

亡くなっていた4人は赤の他人だった。
家主の佐藤正一は2年前に離婚、リストラ対象になっていることを悩んでいた。
佐藤は他の3人と自殺志願者の集まるサイトで知り合ったと思われる。
練炭を用意したのも彼だ。
次々と自殺を裏付ける情報を話す毛利。
中堂は現場の状況だけで良いと怒鳴りつける。

身元が判明するなか、唯一20歳前後の女性(菅野莉央)だけは未だ身元不明だった。
ミコトは彼女の死因を他の3人とは違う「凍死」だと判断する。
さらに「ユキオトコノイ タスケテ花」と書かれた紙が胃の中から見つかる。
状況から、本人が自ら飲み込んだものと思われた。

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「わろてんか」 第17週 第94回『ずっと、わろてんか』

 

あらすじ

てんが番組表の構成を勉強中、キースとアサリがすっかり湯にのぼせて帰ってきた。
1日に5、6回も銭湯に通い、万歳のネタを集めていたのだ。
ネタを仕入れて来たと聞くと、風太はすぐに万歳を作れという。
この後も出番のある2人は反発。
てんは、ネタを書くのは万丈目に任せてみてはどうかと言う。

東京の芝居でも小説家が話を書いている、藤吉はてんの提案に賛成する。
そこへ洋装にサングラス姿の女性が「ただいま」と入ってきた。
藤吉の母、啄子だった。

舶来の土産物を前に、藤吉は再婚相手を置いて旅行をして大丈夫なのか尋ねるが、啄子は「わては愛されてますよって」と笑う。
得意の始末でクリーニング店はカルフォルニアに12店舗も広げるまでになっていた。
藤吉が倒れたと聞いて心配していた啄子は、元気そうな姿に安心する。
急いで学校から帰宅した隼也との再会も喜ぶのだった。

外では、万丈目の書いたネタでキースとアサリが稽古の最中だった。
啄子の姿を見て喜ぶ一同。
啄子は女性に受け入れられるためには、身なりと言葉遣いも大事だとアドバイスする。

藤吉は再び発作に襲われていた。
その最中、風太が訪ねてくる。
藤吉は何事もなかったかのように振る舞うのだった。

啄子はてんの手厚い看病があったから藤吉が回復できたのだ、と感謝する。
そしてこの先自分に何かあっても、スマイルで送って欲しいと言う。
てんを「北村笑店の立派なごりょんさんや」と褒める啄子だった。

その夜、家族四人で食卓を囲んだてんは、幸せだと実感する。
啄子は今の自分があるのは藤吉のおかげだと言い、「天下一の息子や」と讃える。
一方の藤吉も、自分を見捨てず叱り続けてくれた啄子を「世界一のおかあちゃん」だと礼を言う。
四人は縁側で月を眺めながら団らんするのだった。

雑記

啄子さんの美しさに目を奪われっぱなしでした。若作りは逆に老けて見えると言いますが、年より年老いた格好もまた、逆に若々しさが際立つような気がします。
藤吉の父からは、ついに心から愛されることのなかった啄子の今の夫には「愛されてますよって」の言葉に心から良かったなあと思いました。
それにしても12店舗とは。さすが、商才半端ないですね(笑)

「わろてんか」 第17週 第93回『ずっと、わろてんか』

 

あらすじ

藤吉の発作は一時的なものだったが、心に不安を抱えつつも、てんには話せずにいた。

万丈目の新聞連載が始まる。
万歳の出来より良いと褒める風太風太もまた新しい万歳の形を模索し続けていた。
女性の目線も必要だと感じていた藤吉は、てんに興行の世界にもっと関わってみないかと勧める。

ラジオ放送。北村笑店の芸人も何人か出演するようになっていたが、落語の若者人気はいま一つ。藤吉はラジオでも伝わる万歳について、てんと話し合う。

番組表の編成なども、てんに教え込む藤吉。
熱心な二人を見て、おトキは風太にプレッシャーをかけからかう。

藤吉はすでに売れっ子のキースとアサリにも厳しく指導し、広告の新しい方法なども考えていた。

キースとアサリ、風太は、落語が100年続いてきたわけを考える。
そして3人は、音曲やハリセンを使わない「しゃべくり万歳」に辿り着く。
さっそく試してみるキースとアサリ。
どつき万歳を期待していた客には不評。みかんを投げつけられるのだった。

災難だったと笑う藤吉。万丈目はキースのインテリネタは客には難しいのでは?と指摘する。
そして自身も小噺で好評の、日常の話を元に万歳を作ってはどうかとアドバイスする。

大量のみかんの皮を、てんが藤岡屋を訪れる。
てんは、りんから、兄・新一の夢だった「日本で薬を作る」夢が実現しそうだと聞かされ喜ぶ。

藤吉に頼まれた資料を持って、栞がやってくる。
栞が藤吉が何か急いでいるようだ、と指摘すると、藤吉はうかうかしていたらあっと言う間に年を取ってしまうと笑う。
栞は深く共感した。
トーキー映画(音声のある映画)を作る構想があるものの、弁士の仕事を奪ってしまうために二の足を踏んでいたのだ。
藤吉は「時代の先駆者は立ち止まったらあかん」と栞を背中を押す。
盛り上がる二人。藤吉は祝杯をあげようと上機嫌だが、てんに酒を止められ笑うのだった。

感想

弁士が日本独自の物だったとは知りませんでした。歌舞伎や浄瑠璃などで語り手文化があったためだとされています。
数は激減したものの話術を生かして転職した人も多く、現在も少ないながら弁士と言う職業は存在するようです。声優の山崎バニラさんもその一人。
それにしても「面白くない男」万丈目さんのマルチっぷりは目を見張るものがあります。カッコ良い!

アンナチュラル#1

不自然死究明研究所、通称UDIラボでは、検査を請け負う企業が常駐するなど死因究明に特化した施設だ。
厚労省を辞職後に所長に就いた神倉保夫(松重豊)の元、法医解剖医は二人。
4ヵ月前から働き始めた三澄ミコト(石原さとみ)と、誰も組みたがらない傍若無人な男、中堂系(井浦新)。

他に、臨床検査技師の東海林夕子(市川実日子)と同じく臨床検査技師の坂本誠(飯尾和樹)。
そして入ったばかりのアルバイト、医大生の久部六郎(窪田正孝)がいた。

UDIラボに、高野島健一(野添義弘)と妻響子(長野里美)から、突然死した息子、渡(野村修一)の死因を調べて欲しいと言う依頼が入る。
心不全と片づけられていた何人もが、実はガス給湯器の異常による一酸化炭素中毒だった事が判明した事件もあり、両親は元気だった息子にも何か起きたのではないかと疑っていた。

さっそく、フォレスト葬儀社から高野島の遺体が運ばれてくる。
たった今解剖を終えたミコトと中堂。しかし中堂ははなから受けるつもりはなく、公平に決めようと言うミコトに中堂は、俺と実績が並んだら公平に決めてやる、と吐き捨てた。
ミコトの症例数は若いながらも1500。中堂はその倍の3000だった。

高野島の解剖が行われなかったのは、住んでいた場所が解剖のできる医大から遠く離れていた事が原因だったが、そのほかにも様々な要因から解剖には地域差が生まれていた。
死ぬときは場所を選ばないと、と笑うミコトたちに驚く久部。

ミコトによる解剖が始まり、すぐに虚血性心疾患でないことがわかった。
実際の死因は急性腎不全。
毒物中毒の可能性もある事から検査に回された。

ミコトは安い時給なのに希望してきた久部に、いっそ解剖医にならないかと誘うが、久部は法医学は死んだ人のための学問だと言い切り、難色を示す。
ミコトは法医学を未来のための仕事だと返した。

高野島と仕事をしていた外部デザイン会社の敷島由果(田中こなつ)が高野島の亡くなった翌日に突然死している事がわかった。
久部は思わず「連続毒殺事件……」と呟く。

ミコトたちが駆けつけるも、由果の遺体はすでに荼毘に付された後だった。
母親の直美(いしのようこ)は、警察からは、喘息発作によるものだと説明されたと語った。

帰り際、車の中で笑いながら会話するミコトと夕子に愕然とした久部は、それを友人の末次に飲みながら愚痴るのだった。

ミコトは恋人、関谷聡史(福士誠治)との待ち合わせに急いでいた。
付き合って3年になる二人、聡史はミコトを両親に紹介しようと考えていた。

家に帰る前に実家へ立ち寄ったミコトは、母の夏代(薬師丸ひろ子)と弟の秋彦(小笠原海)に付き合っている人を紹介したい、と話す。
大喜びする夏代、一方で秋彦は相手は”本当”のミコトを知っているのかと意味深に問うのだった。

薬物検査では何も出なかったが、調べられるのは200種類まで。
ふぐ毒のテトロドキシンですら、登録されておらず、個別で調べるしかない。
夕子は、この世で最も恐ろしいのは「名前のない毒」だと言う。
新しい成分の毒は検出できない。そんな毒を作れば人知れず殺し放題だ、と。

ミコトたちは高野島のマンションを訪れ、冷蔵庫の中の食材からシャンプーなどの薬品に至るまで採取した。
ありふれた物でも、毒として作用する可能性があるからだ。
そこに高野島の恋人であり第一発見者でもある馬場路子(山口紗弥加)がやってくる。
淡々と当時の状況を語り、今日は事件現場でもあるこの部屋に泊まるために来たのだ、と言う路子。
彼女が高野島を毒殺したのではないかと疑い、尋問じみた行動を取る久部。ミコトは慌てて制止した。

次に高野島の勤務していた会社を訪れ、デスクやロッカーの私物を集める。
そこには外国製と思われるクッキーなどもあった。
久部はここでもワンマンプレーに走り、上司の松戸に2人の関係などを執拗に聞く。
路子は薬品による研究開発に携わっていた。

社内では、三角関係になった路子が、高野島と敷島を殺したのではないかと噂になっていた。
一方、路子が研究しているポリエチレンにはエチレングリコールと言う薬品が使われている事も判明。
エチレングリコールは、喘息発作や腎臓障害の原因にもなる。
ミコトは高野島のデスクにあったクッキーが、由果の遺影の前に置かれていた物と同じである事に気付く。
エチレングリコールには甘みがあり、混ぜる事は可能だった。

しかし、クッキーからも高野島の検体からもエチレングリコールは出ない。
神倉は「説明できない突然死」で診断書を出そうと言う。

行き詰ったミコトは、中堂に意見を求めるが、パソコンで論文の検索でもしろ、と突き放して所長室へ籠ってしまう。
試しに検索してみるが、英文の並ぶのを見て途方に暮れるミコト。
そこに久部が戻ってきた。
あれから調べた結果、お菓子は路子ではなく高野島が購入し由果に上げたものだと言う事。
2人がデキているという噂も、高野島の風邪が由果に移っただけの事だった。
ミコトは高野島の出張先がサウジアラビアである事、亡くなる前に風邪の症状を訴えていた事から、MERSコロナウイルス(中東呼吸器症候群)の可能性に辿り着く。

ミコトは常駐企業に向けて、遺伝子増幅法などでMERSの検出ができるところはないかと声をかける。普通の方法では遺体の状況から検出できないからだ。
逆に死後200時間以上経過し、ウイルスが不活化している事から、研究所内での感染のおそれはない。
過去の症例から、MERS感染者が免疫の過剰反応から急性腎不全になったケースがあること。MERSの症状である急性呼吸ひっ迫は、由果のぜんそく発作による死因とも合致した。

やがてPCR法での検出が出来る企業が名乗りをあげ、高野島渡の死因はMERSであることが確定した。
国内初の感染者の死亡は一斉に報道され、2人と接触した可能性のある82人は陰性だとわかるまで隔離。
神倉は記者会見を行い、UDIラボの重要性を熱く語った。
会見をラボのテレビで見ていた久部は「法医学は未来のための医学」と言う神倉の言葉を繰り返した。

ワイドショーでは、風邪の自覚症状があったにも関わらず、空港で検査を受けなかった高野島に非難が集まっていた。
男性Aと呼ばれた高野島。由果の母、直美も涙ながらにカメラの前で高野島を責めるのだった。

解剖を依頼した高野島の両親は、マスコミに追われ疲れ切った表情で葬儀を行った。
我慢強く、と育てたのが悪かったのか、と頭を下げる両親にミコトはやりきれない思いでいた。

式が終わると、路子は高野島は無実だ、とミコトに一通の封筒を手渡した。
健康診断の結果を知らせる通知。高野島は帰国して三日後に健康診断を受けていた。
しかしミコトは、健康診断でMERSの検査はしないこと、自覚症状がいつからあったのかの証明はできない事。
そして「今よりもっとつらいことになるかも知れません」と路子に告げるのだった。

ミコトの言葉通り、さらに騒動は大きくなっていく。
健診に訪れた東央医科大学病院では、高野島と接触した可能性のある患者が48名。検査の結果、病院関係者も含め8名に感染が確認された。

フォレスト葬儀社の中林は中堂に、今回の事でUDIラボへの依頼が増えると、課外活動に支障が出るのでは?と言う。
そして今月は「赤い金魚」が出なかった事を伝えると、中堂から金を受け取った。
中林はさらに、東央医大での死者が増えている事をほのめかすのだった。

ミコトは封筒を返しに路子に会いに来た。
路子は一緒にいれば高野島を一人で死なせずに済んだ、と後悔していた。
ネットではすでに本名も顔写真も明かされ、「高野島ショック」と揶揄されている事に触れ、真面目だった人が極悪人扱いされるくらいなら、封筒を渡さなければ良かったという。
ミコトは路子が封筒の存在を知らせてくれたことで、被害が拡大せずにすんだ。と慰めるが、路子にとってはもはや「誰が死んでもどうでも良い」のだった。
落ち込む路子に執拗にあんパンを勧めるミコト。
「そんな気分じゃないから食べるんです」と言う言葉に渋々食べて、おいしい、と涙を流した。
路子は帰国した翌日にお土産として指輪を受け取っていた。
そして一夜を共にしたのだ。
それを聞いたミコトは目の色を変え、その夜「した」のか、キスは何回くらいしたのか、と路子を問い詰めた。

高野島はキスが大好きな男だった。その夜は濃厚なのを少なくとも20回以上は交わした。
しかし、路子はMERSに感染もしていないし体内に抗体もできていない。
これは路子がウイルスに一度も接触していない事を表していた。
高野島はサウジアラビアで感染して帰国したのではなく、健康診断に訪れた東央医大で感染したのだ。
だが証拠がない、と悔しがるミコト。なかった事にしようと言う神倉。
そこに中堂が書類を持って現れた。
東央医大で、MERS感染と疑われる患者が何人も亡くなっていると言う。
院内感染では証拠隠滅されてしまうが、最後に亡くなった患者の葬儀は今から行われるのだと言う。

久部が運転するバイクに乗り、ミコトは急いで斎場へと駆けつける。
間一髪で火を止めて事なきを得た。
久部は中堂から渡された解剖許可書を見せ、これで遺族の承諾なく解剖できる、と説明する。
ミコトは機械は強制的に止めても、人に強制したくないと書類を突き返し、遺族に詰め寄られながらも事情を説明するのだった。

院内感染を疑われた東央医大の駕籠武(村井國男)院長は、弁護士を伴ってUDIラボを訪れていた。
神倉に自分たちは被害者で、全ては高野島渡のせいだと言う。

東央医大の患者、門野雄二の死因は急性肺炎だった。検査は15分で終えると言う夕子。
イムノクロマト法によるMERSウイルス検査キットを取り寄せたのだと言う。

同じキットを1か月前から東央医大の関係者も取り寄せていた。
研究のため、と言い訳する駕籠に神倉は200ロットは多すぎると詰め寄る。
証拠にはならない、と笑う駕籠。
退席しようとすると、ミコトが飛び込んできた。
門野雄二からMERSウイルスが出たのだ。
門野と高野島の検体を詳しく調べればどちらが先に感染したのかもわかる。
ミコトは「ウイルス漏れを隠すのは、名前のない毒をばらまくのと同じ」と。
遺族がこれから生きていくためにも、高野島渡の名誉回復をして欲しいと詰め寄った。

ミコトは聡史が両親と待つホテルへ急いでいた。
しかしすでに聡史の両親は帰った後だった。大事な時まで仕事を優先したミコトに、聡史は落胆していた。
そして3年付き合っても知らない気がする、家族になることに不安がある、と告げられてしまう。

夏代の元に、ミコトから恋人との顔合わせが中止になったと電話が入った。
どうして、と言う夏代に秋彦は、寝顔を愛せる人と結婚しろ、と言うが、ミコトは自分の寝顔を見せられないのだ、と答えるのだった。

翌日、駕籠院長は院内感染を認める会見を開き、高野島の名誉は回復された。

ミコトは偽物の書類を中堂に突き返した。そして自分たちが協力すれば無敵なのでは?と言う。
敵は何だ、と尋ねる中堂にミコトは「不条理な死」だと答えた。

久部は今回の一件で解剖に興味が出たのか、それを電話で末次に語っていた。
しかし末次は意外な事を口にする。ミコトは養子で本当の名前は「雨宮」だと。
そして「雨宮 浦和市 一家四人無理心中」で検索してみろ、と――。

 

「わろてんか」 第17週 第92回『ずっと、わろてんか』

あらすじ

新婚のおトキは風太と夫婦喧嘩して、てんと藤吉に相談に来ていた。
藤吉のリハビリは順調で、仕事にも一層精力的だった。
藤吉は、東京の文化をてんにも見せたい、と同行するよう言う。

浅草では軽演劇やレビューが人気で、特にスケッチ激(コント)が大きな話題になっていた。
一日早く帰阪した藤吉は、進化し続ける東京に負けていられないと意気込む。
そして100年続く芸を目指して、渡米を計画していた。
アメリカで再婚してクリーニング店を営んでいる母、啄子にもすでに手紙を出したと言う。
一緒に行って欲しいと言われたてんは、嬉しそうにどこまでも付いて行くと答えるのだった。

風太とおトキがてん夫婦を訪ねて来た。
かしこまった様子の二人に、藤吉は別れるのでは?と驚く。
てんは、おトキが身籠っているのではないかと気付く。
風太は藤吉に名付け親になって欲しいと頼みに来たのだった。

風鳥亭では奥歯の抜けた岩さんが、気合術の引退を考えていた。
万丈目は「気合の入らん気合術」を提案し、岩さんは活路を見出す。
そこへ、藤吉の元許嫁で、新聞記者の杉田楓がやってくる。
楓は、万丈目が以前書いた話が好評だったため、改めて小噺の連載を依頼しにきたのだ。
夫婦万歳をまだまだ盛り立てて行きたい万丈目は断るが、歌子は万歳を辞めても良いと言う。
物書きの才能があったことを喜び、どんな形でも応援すると言う歌子に万丈目は感激する。

藤吉の元には啄子からの手紙が届いていた。
親戚との世界一周旅行の途中に会いに来て、藤吉の渡米について相談に乗ると言う。
笑みを浮かべて二枚目の便箋を読もうとした瞬間、藤吉は強いめまいなどの異変に襲われる。

感想

今までで一番イチャイチャと幸せそうなてんと藤吉、子が出来てこれからの風太とおトキ、子がなくてもお互いを信頼し合えるキチゾーと歌子。そんな幸せな流れの後の展開にドキッとしました。
今週のタイトルの「ずっと」の部分や、予告の栞にてんを託すような藤吉のセリフ。申告な顔で花束を抱えて走るリリコ。
安心させた矢先にこれとは。団吾の「死神」があの展開なのもこの先の布石だったんでしょうね。